いつの時代も人が集まれば遊びやゲームをするもの。そこから生まれた言葉も多いようです。「しかと」「ぐれる」「いたちごっこ」……どんな遊びがもとになっているかわかりますか? 言葉のうんちくを紹介します(朝日新聞出版『みんなの漢字』から)。

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■ちょんぼ
麻雀のルール違反がうっかりミスの意味に

もともとは、麻雀用語であがりの牌パイを間違えること、役がそろっていない状態であがってしまうことです。転じて、うっかりしたミスや失敗の意味になりました。音は、中国語で「間違ったあがり」という意味の「錯和(ツォーホー)」や「空しいあがり」という意味の「冲和(チュンホー)」が変化したといわれています。

■香(こう)の物
香りを嗅ぎ分ける遊びで漬物を食べていた

日本では、鎌倉時代のころから文化人の間で、香木の香りを聞き分ける(嗅ぎ分ける)「聞ぶん香こう(「もんこう」とも)」という遊びが行われてきました。その際に、漬物を食べて、臭覚をリフレッシュさせたといいます。そこから、漬物を「聞香で使う物」という意味で「香の物」というようになったといわれています。

■賭博(とばく)
「賭」にも「博」にも「かけごと」の意味がある

「賭」はもともと、はっきりしない未来を予測することを表す漢字で、「かけごと」の意味があります。一方の「博」には双六の意味があり、かつて双六は金品をかけることが多かったので、「博」も「かけごと」の意味をもつようになりました。そこから、金品をかけた勝負事を「賭博」というようになったと考えられています。

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「いたちごっこ」は追いかけっこではない