また戦力としてみた場合でも、それぞれには短所があることを同記事では指摘している。

 例えば、シュワーバーは選球が良くないようで、通算打率が.237であることに心配を寄せている。また、シュワーバーは、守備についても欠点があるようで、一塁手としてはうまくいかず、外野手としても「せいぜい平均的」と評価。

 一方、鈴木の守備については、それほど不安はないようで、「レッドソックスの右翼手を5年任せられる可能性がある」と書いている。しかし、鈴木にMLBでの実績がないことについては懸念があるようだ。MLBの速球に対応できるか、また、MLBの環境にすぐに対応できるかというところに心配を寄せている。

 レッドソックスは、これらを総合的に判断した場合、「プレーの向上よりも、安全な賭けに出る可能性はある」ともしている。記事が述べる「安全な賭け」とは、シュワーバーとの再契約のである。記事の終盤には、シュワーバーは、「正位置がなくてもここ(レッドソックス)で結果を出せるのは知っている」としているが、鈴木は、「太平洋全域(アジア圏)から来る次の大スターかもしれないし、あるいは彼はただの別の男かもしれない」と述べてられている。

 それでも、正右翼手が欠けている今のレッドソックスにとって、鈴木も戦力として十分考慮すべき存在ではあるようだ。それも前述のように、シュワーバーとの再契約が叶わない可能性もあるからである。

 レッドソックスと鈴木の間で、どれほど交渉が進んでいたかはわからないが、現地ではこういった報道も出ている。今後、MLBのロックアウトが明け、選手との交渉が再開されれば、鈴木にさらに積極的なアプローチをかける球団もあるかもしれない。特に、ライバルのヤンキースがその球団の一つとなる可能性が高いと言われている。

 はたして、来年の鈴木はどの球団のユニフォームに袖を通しているのだろうか。その答えを知るには、もう少し待たなければいけないようだ。(在米ジャーナリスト・澤良憲/YOSHINORI SAWA)