2021年の箱根駅伝では7区を任された青山学院の近藤幸太郎(右)
2021年の箱根駅伝では7区を任された青山学院の近藤幸太郎(右)

 新春に行われる第98回箱根駅伝(2022年1月2、3日)のチームエントリーが12月10日に行われ、1チーム16人、計21チーム336人が選手登録された。今後、12月29日に区間エントリーを予定し、当日のメンバー変更(往路・復路で計6名、1日最大4名まで)を経て午前8時の号砲を迎える。そこで改めて注目したいのが、エース区間「花の2区」の行方である。

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 鶴見中継所から横浜駅前を通り、“難所”権太坂とラスト3キロの上りを経て戸塚中継所に向かう23.1キロ。過去、幾多の名ランナーたちによって数々のドラマが生まれてきたが、前回大会では東京国際大のイェゴン・ヴィンセント(当時2年)が異次元の走りを披露。14位でタスキを受けるや否や、187センチの長身を生かしたストライドで一気に前の走者との差を詰め、6.8キロ付近で8人の2位集団の横を風のように抜き去ると、9.2キロ付近で先頭に立って14人抜きを達成した。

 そのままの勢いで、前年に東洋大・相澤晃がマークした区間記録を8秒更新する1時間05分49秒という驚異的なタイムを叩き出した。このヴィンセントは3年生となった今回も2区での出走が濃厚で、区間記録の再更新も視野に入れる。まずは「史上最強」と呼ばれる男が、どの順位でタスキを受けるのかに注目が集まる。

 ライバルは、同じ駒澤大の言わずと知れた大エース、田澤廉(3年)だ。前回大会も2区を走り、順位を15位から8位に上げてチームの総合優勝には貢献した。しかし、自身のタイム1時間07分27秒は区間7位。留学生を除いた日本人だけでも3位という成績は、田澤にとっては不満が残る。さらなる“爆発”へ向け、11月の全日本駅伝でMVPを受賞した後、今月4日に行われた日体大長距離競技会の1万メートルでは日本歴代2位となる27分23秒44をマークし、同時に走ったヴィンセント(27分24秒42)にも勝利した。今回の箱根2区では、現在の大学駅伝界の両雄が並走しながらのデッドヒートを是非とも見たい。

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青山学院大の2区出走候補は?