上海ガニ
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 上海料理の秋冬の風物詩といえば上海ガニ。ところが、先月下旬、YouTubeチャンネル「きまぐれクック」のかねこが生きた上海ガニをネットオークションサービス「ヤフオク!」で購入して調理する様子を投稿したところ、「外来生物法」違反の疑いで環境省が調査に乗り出す事態となった。

【写真】ヤフオク!で「上海蟹」と表記された商品

 事の発端となったのは、10月31日に投稿した「中国からまだ生きてる『アノ食材』が届いた。ヤバすぎる。」という動画。これに対して、一部の視聴者から、「外来生物法に違反するのではないか」という指摘の声が上がった。指摘を受けて、かねこは動画を削除。11月13日に謝罪の動画を投稿した。

 謝罪のなかで、かねこは上海ガニを購入した経緯について、詳細に語った。普段から頻繁にヤフオク!で魚などを購入していると、マイページのお薦め欄にさまざまな魚介類が表示されるという。「ある日そこに、上海ガニが表示されて、特定外来生物だということをまったく知らずに購入しました」(謝罪動画でのコメント)。数日後、東京の輸入業者から生きた上海ガニがひもでぐるぐる巻きにされた状態で到着。その夜、カニを調理して、撮影を行い、YouTubeにアップしたところ、今回の事態となった。

「ぼくは魚介類の料理の知識は多少はある方なんですけれど、外来生物に関する知識が本当にゼロに等しかった。それで、こういうことが起こってしまった」(謝罪動画でのコメント)

何が違法行為に当たるのか?

 今回のケースの何が違法行為に当たるのか?

「問題は購入許可を持っていないYouTuberの方に上海ガニを販売したこと。売った側、買った側の両方が違法行為になります」

 環境省外来生物対策室の谷口晃基さんは、こう説明する。

 上海ガニは中国南部が原産地だ。正式には「チュウゴクモクズガニ」と呼ばれる。

「国内にもモクズガニとオガサワラモクズガニという種が自然に分布していますが、この在来2種を除いたすべてのモクズガニ族が特定外来生物に指定されており、上海ガニもこれに該当します」(谷口さん)

 特定外来生物に指定された種は「外来生物法(正式名:特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律)」に基づく取り扱い規制がかかり、飼育や販売、輸入などの行為が原則、禁止される。

「例えば、上海ガニを飼育する場合には、あらかじめ、許可をとっていただく必要があります。ただし、動物園や植物園といった公的な展示目的、または学術的な目的のみが許可対象で、ペット目的での飼育について許可は下りません」(谷口さん)

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