公明党の「プリンス」と言われた遠山清彦元衆院議員
公明党の「プリンス」と言われた遠山清彦元衆院議員

 公明党の元衆院議員、遠山清彦氏や秘書らが日本政策金融公庫の融資を無登録で仲介し、口利きをしていた疑惑で、「Xデー」が近づいている。

【写真】遠山清彦氏とテクノ社顧問のM氏はこちら

 東京地検特捜部は8月に貸金業の登録がない遠山氏の元秘書らが融資を仲介して手数料をとっていた貸金業法違反の容疑で、遠山氏の自宅や元秘書らの議員会館の事務所などを家宅捜索。遠山氏本人にも事情聴取をしていた。特捜部は遠山氏が財務副大臣時代に約100件にのぼる融資に関わっていた疑いがあることから立件の方針を固めたと報じられている。

 特捜部がとりわけ注目しているのは、すでに詐欺容疑で起訴されている太陽光発電システムを手掛けるテクノシステム(倒産・以下はテクノ社)の生田尚之被告と遠山氏の関連だ。

 2019年9月、遠山氏が財務副大臣に就任した当時、生田氏は金策に困っていた。テクノ社顧問だったM氏を通じてかねてから知り合いだった、遠山氏に窮状を訴えたという。

「当時、1億円を借りていた日本政策金融公庫に追加融資を申し込んだが、断われてしまった。そこで遠山氏に口利きしてもらい、追加で約4億円の融資が決まり、計5億円を借りることができたと聞いている」(テクノ社関係者)

 追加融資の決定は遠山氏が財務副大臣在任中だったという。

 生田被告は追加融資を得られた後に、遠山氏と銀座のクラブで会い、100万円の現金を口利きの謝礼として手渡したとも報じられている。関係者によると、特捜部はこの情報を得ており、立件のポイントとして捜査している。この時に同席し、遠山氏とテクノ社の生田被告をつないだのは、同社顧問のM 氏だ。AERAdot.は東京都内でコンサルタント会社を経営しているM氏を直撃した。証言は以下の通りだ。

「私はコンサルタント業なので、うちの顧問先を遠山氏に紹介し、パーティ券などを買ってもらっていた。生田被告のテクノ社も顧問先の一つで、何年も前から遠山氏を紹介している。遠山氏から『活動費の工面』を頼まれて、生田被告に『用立ててもらえないか』とお願いしたこともある。この時(渡した)の100万円の名目は記憶にない。贈収賄事件と言われてもね。特捜部の調べは半年前から受けており、何度もそう説明している」

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遠山氏のツイッターにM氏 との写真