巨人の原監督(c)朝日新聞社
巨人の原監督(c)朝日新聞社

 3位からの下克上で日本一を目指す巨人。CSファーストステージは阪神に敵地・甲子園で2連勝を飾った。2年連続本塁打、打点の2冠王に輝いた不動の4番・岡本和真が戦線離脱する中、文字通りの「一丸野球」だった。主力のウィーラー、代役の4番に入った丸佳浩に犠打をさせ、先発の高橋優貴も不調と見るや2回途中から小刻みな継投策に切り替えた。原辰徳監督の大胆かつ緻密な采配が冴えわたり、点差以上に阪神を圧倒。2戦だけだが「強い巨人」が戻ってきた雰囲気さえ漂わせた。

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 ただ、リーグ覇者・ヤクルトと激突した10日のCSファイナルステージ初戦は0-4で完敗。先発の山口俊が初回にサンタナの左越え2ランなどで3点を先制されると、打線も高卒2年目右腕・奥川恭伸に6安打で完封負けと完ぺきに封じ込まれた。思わぬ批判の声が上がったのは、試合後の原監督のコメントだった。報道によると、4回3失点で降板と試合を作れなかった山口について、「まあまあ、なかなかちょっとフォローはできないよね」と苦言。SNS、ネット上では、「自分が行かせておいて、『フォロー出来ない』はおかしいだろ。誰が見ても不安でたまらなかったはず」、「この選手に対する言い方、本当スモールボス。巨人ファンは野球観ていて楽しいですか?ヤクルトはこの大一番でも、将来のために、奥川、高橋、原樹理と今年貢献した若手に託している。野手陣、ベテランがそれを盛り上げバックアップする。観ていて楽しいよ」など批判の声が上がった。

 スポーツ紙記者は、原監督を擁護する。

「そんなに批判的な言葉ではないと思うのですが…。ベテランの山口に期待が大きかったからこその発言だと思います。批判される背景にはシーズン終盤の大失速でリーグ3連覇を逃した原監督に対する空気もあると思います。以前の原監督はメディアを通じて選手に厳しい言葉を発信していましたが、その時は大きく取り上げられなかった。『勝てば官軍』で、スタンスがブレなくても結果が伴わなければ、その発言が批判されてしまう。現場のトップに立つ監督の宿命ですね」

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