服部恭太容疑者。成人式で撮影された写真だという(読者提供)
服部恭太容疑者。成人式で撮影された写真だという(読者提供)

■ホームドアを活用した大規模訓練の実施を

 例年、秋は鉄道事業者が大規模な訓練(例えば、東京メトロでは「異常時総合想定訓練」と称す)を実施している。主に地震、火災をテーマとしており、ほとんどが駅と駅のあいだで災害、事件が発生したことを想定している。筆者は過去に何度か取材したが、駅に関する訓練を見たことがない。今後、今回と同様の事象が発生した場合や、ホームドアが故障した際の避難誘導など、新たなマニュアルを策定し、より迅速に対応する必要があるだろう。

■防犯カメラなどの諸費用は政府や警察が負担すべき

 新幹線のN700系以降、車両内などに防犯カメラの設置が進められている。だが、事件が発生した京王電鉄8000系の当該編成には、設置されていない。事件後、松野博一官房長官は「車内に防犯カメラの設置」など、安全対策の強化を進める考えを明らかにした。これまで設置費用はすべて鉄道事業者が負担している。義務化などを推し進めるのであれば、政府や警察が費用を全額負担し、設置のスピードアップを図るべきだろう。(文・岸田法眼)

■きしだ・ほうがん/『Yahoo! セカンドライフ』(ヤフー刊)の選抜サポーターに抜擢され、2007年にライターデビュー。以降、フリーのレイルウェイ・ライターとして、『鉄道まるわかり』シリーズ(天夢人刊)、『論座』(朝日新聞社刊)、『bizSPA! フレッシュ』(扶桑社刊)などに執筆。著書に『波瀾万丈の車両』『東武鉄道大追跡』(アルファベータブックス刊)がある。また、好角家でもある。引き続き旅や鉄道などを中心に著作を続ける。