巨人の原辰徳監督(C)朝日新聞社
巨人の原辰徳監督(C)朝日新聞社


 今季限りで巨人の三軍野手コーチを退団した巨人を石井琢朗氏が、DeNAの来季の1軍打撃部門のコーチに就任することがメディアで一斉に報じられた。

【写真】原監督に唯一、異論を唱えた石井琢朗氏はこちら

「DeNAにとっては1人の主力選手を獲得するより、大きな補強になると思います。横浜(現DeNA)が98年に球団創設初の日本一に輝いた際の主力として貢献するなど。チームの顔として長年活躍してきましたが、07年限りでチームを退団以降はなかなか縁がなかった。広島、ヤクルト、巨人でコーチを歴任し、丸佳浩、鈴木誠也、村上宗隆岡本和真の指導に当たってきた。指導理論だけでなく、洞察力にも優れているので三浦大輔監督の頼もしいブレーンになるでしょう。ヘッド格で抜擢することも考えられます」(スポーツ紙デスク)

 石井コーチは現役時代、大洋、横浜(現DeNA)で20年間プレー。ドラフト外で投手として入団したが、野手転向して球界を代表する遊撃手として活躍した。ゴールデングラブ賞を4度受賞し、リードオフマンとしても最多安打2度、盗塁王4度獲得。通算2432安打を積み上げた。ただ、08年若返りを図るチーム方針で引退勧告を受け、翌09年に広島へ移籍。現役引退後は名指導者として名を高めていたが、不思議と古巣のDeNAとは縁がなかった。 

「石井コーチは横浜に戻りたい意思があったようですが、なかなか実現しなかった。現役時代は職人気質でストイックな姿勢が『わがまま』と誤解される時もありましたが、それは違います。勝利への執念は誰よりも強く首脳陣やチームメートと衝突することも珍しくなかった。コーチになって丸くなりましたが、それでも監督の『イエスマン』になることなく、チームのために意見を言うこともあった。現役時代に共にプレーしていた三浦監督は石井コーチの姿勢に尊敬の念を抱いていた。今のDeNAは個々の能力は高いが、チームとして得点を取る戦術が少ない。石井コーチが技術面だけでなく、今まで培った経験を選手たちに叩き込むことでチームがガラッと変わる可能性を秘めている」(テレビ関係者)

次のページ
巨人の原監督に異論を唱えられた存在