今まで硬派な作品が多く、主演にこだわった時代もあったようだが、ここ数年はコメディー色の強い作品に脇役で出演しても強烈な存在感を残している。ビートたけしの小説『浅草キッド』の映像化作品が今冬にNetflixで配信される予定だが、柳楽がたけし役を演じることは配信前から話題になっている。

■20歳で結婚し娘を溺愛

 最近では、映画や連ドラのプロモーションでバラエティー番組に出演すると、自らの私生活を積極的に語るようになった。クイズコーナーのMCをやることもあり、バラエティー番組への出演を楽しんでいるようにも見える。民放ドラマ制作スタッフは柳楽の意外な素顔をこう明かす。

「憑依型俳優とかカメレオン俳優とか言われていますが、素はとてもおしゃべりで、将来的には中居正広さんのようなMCをやりたいと以前、トーク番組で語っていました。普通、俳優さんはバラエティーに出てもイメージがあるため“一線”は超えてこないのですが、柳楽さんは放っておいたら余裕で超えていきそうな気配すらある。そこが面白い。家族のネタも含め、プライベートもNGなしで語れるので、番組サイドとしては非常にありがたい。インタビュー取材にもとても協力的で、スタッフからの評判はとてもいいですよ」

 私生活では20歳という若さで女優の豊田エリーと結婚。娘もすでに11歳になっており、溺愛ぶりがたびたびSNSやバラエティー番組で紹介されている。豊田が仕事で忙しいときは、柳楽が“ワンオペ”で娘の面倒をみることも少なくないようで、家族のラブラブなエピソードがテレビで紹介されることも多い。

 仕事もプライベートも絶好調の柳楽だが、ドマウオッチャーの中村裕一氏はこう語る。

「インパクトのある鋭い目つきから、寡黙で怖いイメージを持っている人も多いかもしれませんが、昨年9月に出演した『TOKIOカケル』では、憧れだったクイズ番組のMCにチャレンジし、TOKIOを相手に好き放題に暴れ回り、大いに笑いを巻き起こしました。また7月に出演した『あさイチ』では、コロナ禍で一級船舶免許を取得したことを告白。プライベートは相当アクティブなようですね。Netflixで12月から公開予定の『浅草キッド』では、ビートたけし役で大泉洋とW主演。予告映像で見る限り、たけしさんの特徴であるまばたきや首をクイっとひねるしぐさを完璧に再現しており、まさに生き写しのようだと評判です。年齢的にもまだまだ伸びしろがあり、日本エンタメ界を支える存在の一人であることは間違いないでしょう」

 俳優としてここまでの振り幅があれば、そのポテンシャルは無限大。カンヌが認めた男が改めて日本に衝撃を与える日も、そう遠くなさそうだ。(藤原三星)

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藤原三星

藤原三星

ドラマ評論家・芸能ウェブライター。エンタメ業界に潜伏し、独自の人脈で半歩踏み込んだ芸能記事を書き続ける。『NEWSポストセブン』『Business Journal』などでも執筆中。

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