◆仕事でLINEを利用するなら冒頭2行に要点を

 スマホの通知バナーに表示されるのは2、3行ほど。LINEで仕事の内容をやりとりする際、この2、3行で相手に内容が伝わるように要点を前に書いておくことも、送る側の配慮のひとつ。

「ちらっと表示される通知で内容がわかるようなメッセージを送るのがマナーだと思います。受けとった側は、その内容によって返事したり、スルーでもよければスルーしたりすればいいのです。通知に表示されるわずか2、3行に『お疲れ様です』とか余計な1行が置かれると、内容がわからなくてメッセージを開かなければなりません。まさか、それを見越して前置きを長くする上司はいないとは思いますが……」(石原さん)

 メールならまとまった情報を送る人でも、LINEになると一言一言の対話形式になり、重要事項が決まるまでやりとりを続けなければならいといった煩わしさもある。

「仕事の内容を一言ずつ送ってくる人は、それが癖になっているのかもしれませんが、電話をした方がよっぽど早いと思うこともあります。いつ、どこで、何をといった最低限の内容を1つくらいしか書いていないなど、大事な情報が伝わってこないことがあります」(石原さん) 

 また、LINEだと対スマホ画面が基本なので、相手に向かって話しているという感覚が薄れがち。特に、40代・50代は、権力や地位を握ってからLINEなどのSNSを知った世代。SNSネイティブである若者がプライベートで使う感覚とはかけ離れた使い方を、若い世代に押し付けがちになる。

「かつてのモーレツ社員的な働き方は今ではダメだと是正される時代。残業なしで、ワーク・ライフ・バランスを推進する方向になっているはずですが、実際はSNSの発達によって24時間縛られる状況に陥った人もいるのではないでしょうか」(石原さん)

 LINEがコミュニケーションツールとして重要になってくるにつれ、利便性を上回るストレス要因になることもある。LINEのやり取りで年下から「ウザい先輩」だと煙たがられる前に、節度のある利用を心掛けたい。

(AERA dot.編集部 岩下明日香)