中日のビシエド(C)朝日新聞社
中日のビシエド(C)朝日新聞社

 今季限りで3年契約が切れる中日・ビシエドの今オフに去就が注目されている。9月は打撃不振で思うような活躍ができていないが、貧打の中日打線で4番として孤軍奮闘してきた。

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 在籍6年目の今季は8月27日の巨人戦で、2回2死二、三塁の好機に2点中前適時打を放ち、NPB通算450打点に到達。球団の外国人打者の最多打点記録を更新した。アロンゾ・パウエル打撃コーチの記録を塗り替える球団の外国人打者最多のNPB通算769安打にも到達(9月30日現在)。ナインからの人望が厚く、精神的支柱としても不可欠な存在だ。

「ビシエドは中日に愛着を持っていますし、家族で住んでいる名古屋での暮らしも気に入っている。ただ、契約となると話は別です。ビシエドの活躍に見合う条件を中日が提示しなければ、プロ野球選手として高く評価してくれる球団への移籍を考えるのは当然のことです。一塁を固定できていない巨人、右の強打者が補強ポイントのソフトバンク楽天は獲得に乗り出す可能性が十分にあります」(スポーツ紙デスク)

 2018年の26本塁打が自己最多。その数字を見ると物足りなく感じるかもしれないが、ビシエドの打撃スタイルは広角に安打を飛ばす中距離打者だ。18年に打率.348、26本塁打、99打点で首位打者と最多安打(178本)のタイトルを獲得。19年も打率.315、18本塁打、93打点をマークし、二塁打43本はリーグトップの数字だった。中日では4番を任されているが、ライナー性の打球で右中間、左中間を射抜くポイントゲッターとして、本来ならば5番、6番に置くのが適任だろう。

 変化球への対応に優れているのも大きな強みだ。外国人打者は日本投手の変化球攻めへの対応に苦しむケースが多いが、ビシエドは柔らかい打撃でむしろ変化球への対応を得意とする。真面目な性格で努力家だ。一塁の守備が課題で来日1年目の16年は12失策とミスが目立ったが、昨季は1失策のみで自身初のゴールデングラブ賞を獲得。守備範囲が決して広くないが捕れる範囲の打球をきっちり送球し、柔らかいグラブさばきで難しい送球をアウトにする。

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