放送作家・鈴木おさむさんが、今を生きる同世代の方々におくる連載『1970年代生まれの団ジュニたちへ』。今回は、男性不妊について

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放送作家の鈴木おさむさん
放送作家の鈴木おさむさん

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 僕が30代後半になった時くらいから友達と飲んでる時に、「体外受精」の言葉がちらほら聞こえるようになってきました。そのころは僕にとっては「不妊治療」は他人事だと思っていた。

 2度の流産を経て、妻が仕事を休んで妊活に専念したいと言って仕事を休みました。2014年に妻が妊活休業に入る時に、妻からのお願いで、精液検査に行ってほしいと言われました。僕は好奇心がとても強いので、むしろやってみたいと思っていたけど、タイミングがなかった。

 正直、行くときは、ワクワクしている自分がいた。自分の精液の状態を知れるんだと。

 でも、検査が終わって、僕の精液の状態が良くないことを突き付けられた。その数カ月後に、別の病院で再び精液検査をすると、そこでも僕の精液の状態がよくないことを知る。

男性不妊という言葉は聞いたことがあったけど、当然、他人事だと思っていた。

 そのあともいろいろ調べてみたり、仕事も兼ねてお医者さんの話を聞いていくとわかったこと。赤ちゃんを授かりたくても授かれなかったり、妊娠しても残念なことになってしまったり。

 どうしても、まだ女性が一人でその責任を背負ってしまいがちだけど、子供ができるというのは精子と卵子が受精するところから始まるわけです。それが女性の体の中で育っていくから、女性が背負ってしまいがち。

 でも、それではいけない。精子と卵子から始まることですから。精子に問題がある可能性がある。僕は50%50%だと思っている。どっちのせいというわけではないですが、精子に問題がある可能性だってかなり高いわけです。

 それを認識している男性ってどのくらいいるのかな?と思うんです。

 僕の後輩の20代の男性A君。結婚してもなかなか子供ができないと去年、言っていたので、僕は言いました「精液の検査行った?」と。

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鈴木おさむ

鈴木おさむ

鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。

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