阪神の矢野燿大監督(C)朝日新聞社
阪神の矢野燿大監督(C)朝日新聞社

 甲子園で9月3日から行われた首位攻防戦・阪神巨人戦は劇的な展開だった。阪神はこのカードを迎えるまで後半戦8勝9敗と調子が下降気味だった。一方で巨人は9勝5敗3分と上昇気流に乗り、阪神に代わって首位に浮上。今回の3連戦も「巨人有利」の見方が多かった。

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 ところが、1戦目に阪神が3点差をひっくり返す逆転勝ちを飾ったことで息を吹き返す。2戦目も1点差を追う9回無死一塁で大山悠輔が守護神・ビエイラから左翼席に運ぶ逆転サヨナラ2ラン。3戦目は巨人が5回終了時点で6点リードと圧勝ムードだったが、阪神が猛追。同点に追いつき、巨人は引き分けでしのぐのが精いっぱいだった。

「いつも慎重な阪神・矢野燿大監督が早めに交代のカードを次々に切ったのが印象的でした。3戦目は先発の秋山拓巳が2回まで3失点とピリッとしない内容と見るや、代打を出して3回から藤浪晋太郎を投入した。ロハス、原口文仁、糸井嘉男と代打策もズバズバ当たりました。対照的に巨人はここまで安定していた救援陣がピリッとしなかった。打線も丸佳浩の打撃不振が重症です。巨人が首位を走りそうな雰囲気でしたがこの3連戦で全く分からなくなった。優勝争いは最後までもつれるでしょう」(スポーツ紙デスク)

 阪神が2勝1分で首位奪回に成功した3連戦だったが、気になったのは甲子園に詰めかけたファンの多さだ。1戦目に14889人、2戦目に18024人、3戦目は17247人と計50000人以上の観客が詰めかけた。テレビで見ると、それ以上の大観衆に感じるほどの熱気ぶりだった。外野ではファンが固まって密になっている光景も珍しくない。五輪を取材した記者は試合をテレビ観戦して驚いたという。

「クラスターを懸念して五輪は無観客開催だったので不思議に感じました。阪神が2戦目に大山のサヨナラ本塁打で試合を決めた時は、スタンドの阪神ファンが抱き合って喜んでいる姿が見られた。もちろん興奮するのは分かりますが、密になっているのが自然のような状況なのでクラスターが起きないか気になりましたね」

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