「何やってんだ、という感じ」「良かったねと。でも、褒めはしない」

 大谷のメジャー移籍後、「オレはもう部外者だから」と距離を置いている栗山監督だが、戦う舞台は違っても、やはり大谷が気になるようで、相変わらず辛口コメントが飛び出している。

 18年9月15日のマリナーズ戦で大谷がシーズン20号を記録し、松井秀喜以来日本人2人目の20本塁打の快挙を達成すると、「みんなはすごいと言うけれど、まだ20本かい、何やってんだ、という感じ」と叱咤したが、顔は笑っていた。

 翌19年6月13日のレイズ戦で 大谷が日本人メジャーリーガー史上初のサイクル安打を達成したときも、「ほっとするというか、良かったねと。でも、褒めはしない。全部本塁打を打て」と手綱を緩めることはなかった。

 現地9月3日時点で両リーグトップの42本塁打を記録し、日本人選手では初のホームラン王の期待もかかる大谷だが、栗山監督もさらなるステップアップを願いつつ、辛口コメントを贈りつづけることだろう。(文・久保田龍雄)

●プロフィール
久保田龍雄/1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。最新刊は電子書籍プロ野球B級ニュース事件簿2020」(野球文明叢書)。

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久保田龍雄

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久保田龍雄/1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。

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