――一般企業で働くようになってから、特に苦労した点は何ですか。

 パソコンを触ることが高校生ぶりだったので、いわゆる初期設定だったり、基本的なパソコンスキルがなかったのでとても苦労しました。会社のメールアドレスをパソコンに登録することもできなかったですし、パワーポイントで資料作るのも一苦労しました。普通だと1~2時間もかからない作業が1日かけてもできなくて、自分で本を買ってどうにか資料を作れるようになりました。皆ができて当たり前のことができなかったので、どんどん自分を責めてしまっていました。そこで、自分の経験から「スポーツ選手と同じように、アイドルの子たちもセカンドキャリアは重要だ」と気づいたんです。

――一方で、アイドルを経験したからこそセカンドキャリアに生かせることもありそうです。

 握手会などで、人とのコミュニケーションの取り方や距離の保ち方、相手の気持ちを読み取る場面は多かったので、ビジネスでも生かせていると思います。ほかにも当時はバラエティー番組に出演したり、MCでも下手なりに仕切らせていただいたりしていたので、話すことに関しては、そこまでプレッシャーや重荷を感じることはありません。

――8月20日には、島田さんが共同代表を務める新会社の事業が公表されました。クラウドファンディングで資金を募るようですが、そもそもどういう事業なのでしょうか。

 7月22日に「クローバーアカデミー」という会社を設立して、そこの社長兼校長をやらせていただくことになりました。クローバーアカデミーは高校卒業後に入れる学習サポート校で、まずは「芸能×保育士」というコースを作り、2022年の4月に開校予定です。芸能で必要なスキルを身に着けていくことをメインにしつつ、短大卒の資格と保育士の資格が取れるコースです。

 セカンドキャリアを見据える子ばかりでなく、現在芸能活動をしている子、ファーストキャリアで芸能界を目指している子たちも入ることができます。ファーストキャリアを考えている子たちは、演技レッスンやボイストレーニング、ダンストレーニングなど、アイドルの土台となる部分も学べます。

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「手に職をつけたい」アイドルもいる