基本的なチェック項目としては、授業内容やカリキュラム、キャンパスやサテライトキャンパスの場所、オンライン授業の有無や頻度、開講日時、学費(入学金、授業料、諸費用など)、奨学金制度の有無と内容、図書館や食堂などの施設が充実しているかなどだ。

 大学院のホームページなどに掲載されている情報もあるが、オープンキャンパス(オンラインでの実施も多い)で実際に確かめてみるのがお勧めだ。

「基本的には2年間毎日その大学院で研究をして、理系の学生だと実験などでこもりっきりになることもあります。自分に合った過ごしやすい環境かどうかを見ることが大事。あれもこれも資格が取れますみたいな宣伝文句や、見た目がきれいなことに惑わされないようにしましょう」

 特に入ってみたら思っていた授業と違ったというミスマッチは避けなければと瀧本さんは強調する。

「先生の名前が売れているとか、メディアによく出ているからということで選んでも、あなたがやりたいことは私の専門じゃないんだよねと後から先生に言われたりすると、何のために入ったのか分かりません」

 担当教員となる人の業績を調べる、または著書や紹介している記事を読んでみれば、どんな指導が受けられるかある程度は分かる。聴講生になったり、研究室を訪問したりして授業の様子を知るという方法もある。社会人を対象にした公開講座を受けてみてもいい。

「もし先生と親しくなれば、メールでやりとりをしたり、会って意見を聞けたりするかもしれません。入学前にそこまでできれば一番いいでしょう。どんな年代や経歴の学生が集まっているのかも重要です。大学院で知り合って、後々ビジネスでつながっていくことは珍しくありません。その意味でも聴講生や科目等履修生はお勧めです」

 オープンキャンパスなどでの説明会で、これまでの学生の修士論文をまとめて渡してくれるところもあるので、それを読むだけでも非常に参考になると瀧本さんは教えてくれた。

(文・福永一彦)

※アエラムック『大学院・通信制大学2022』より