貧打に悩む中日では石川昂弥に期待したいところだが、6月25日の二軍戦で左手首に死球を受けて骨折。長期離脱を余儀なくされており、後半戦の復帰は微妙な状況である。他の若手では根尾昂、岡林勇希、石垣雅海などが候補となるが、もう1人抜擢を期待したいのが6年目の石岡諒太だ。度重なる腰の怪我で昨年から育成契約となっているが、今年はここまで二軍で3割を大きく超える打率(.331)をマークし、ホームランもチーム2位タイとなる4本を放つなど好調を維持している。今年で29歳と既に若手とは呼べない年齢だが、オリックスでは杉本裕太郎が30歳で大ブレークしているだけに、石岡もチャンスを与えれば開花する可能性もあるはずだ。

 パ・リーグで最下位に沈む日本ハムではドラフト6位ルーキーの今川優馬に期待したい。一軍ではここまで11打数0安打となっているが、二軍では打率.331、7本塁打、23打点と見事な成績を残している。外野は浅間大基と万波中正が積極的に起用されて徐々に結果を残しているが、今川もこの2人と併用する形で一軍の打席数を増やせば結果を残せる可能性は高いだろう。もう1人、気になるのはやはり清宮幸太郎だ。二軍でも打率は2割台前半と苦しんでいるが、それでも万波に次ぐチーム2位の8本塁打を放っており徐々に調子は上向いているように見える。後半戦は一軍でもその長打力を見せてくれることを期待したい。

 西武で期待したいのはドラフト1位ルーキーの渡部健人だ。イースタンリーグではいずれも断トツの13本塁打、41打点をマークしており、その長打力を見せつけている。本格的な開花は来年以降になりそうだが、一軍レベルのボールに早く慣れるためにも、後半戦はある程度打席数を確保したいところだ。

 投手で面白いのが3年目の渡辺勇太朗だ。6月8日に初めて一軍に昇格すると、9日のロッテ戦ではリリーフで3回無失点と上々のデビュー。その後打ち込まれた試合もあり防御率こそ4点台だが、8試合の登板のうち6試合は無失点に抑えており、150キロを超えるストレートと鋭く変化するカットボールは威力十分だ。将来チームのエースとなれるポテンシャルの持ち主だけに、後半戦ではぜひ先発での起用も検討してもらいたい。

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起用することでいきなりブレークも