日本ハム・清宮幸太郎(左)と広島・中村奨成(写真提供・北海道日本ハムファイターズ/広島東洋カープ)
日本ハム・清宮幸太郎(左)と広島・中村奨成(写真提供・北海道日本ハムファイターズ/広島東洋カープ)

 前半戦が終了したペナントレース。優勝争いはまだまだ混沌としているが、そんな中でも来季や将来に向けて若手選手の起用も徐々に増えつつある。そこで今回は後半戦に多く起用してもらいたい若手選手について、下位に沈む球団を中心にピックアップしてみたいと思う。

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 まずセ・リーグ最下位のDeNAで楽しみなのが2年目の森敬斗だ。二軍ではここまでチームトップとなる63安打を放ち、7月10日に一軍登録されると初スタメンとなった11日の中日戦ではいきなり2安打をマーク。翌日の阪神戦でもタイムリーツーベースを放っている。攻守ともに粗さはあるものの、運動能力の高さは抜群で、プレーのスピードがあるのは何よりも魅力だ。特に深い位置から見せる矢のような送球は目を見張るものがある。現在ショートのレギュラーは大和が務め、他には倉本寿彦、柴田竜拓などがいるが、数年後を考えると若手の台頭は必要不可欠なポジションである。そういう意味でも積極的に森を起用していくことが望まれるだろう。

 セ・リーグ5位の広島はともに3年目の小園海斗と林晃汰が6月からレギュラーをつかみ、一足早く世代交代に舵を切った印象を受ける。この波に続いてほしいのが1学年先輩の中村奨成だ。高い期待を背負ってプロ入りしたものの、ここまでの3年間は二軍で苦しんでいたが、今年はプロ初ヒット、初ホームランを記録するなどここまで36試合に出場して14安打、2本塁打と成長ぶりを見せている。

 特にバッティングは余裕を持ってボールを見られるようになっており、少ない打席ではあるものの出塁率(.373)と長打率(.451)の高さも目立つ。3盗塁をマークしているように、脚力があるのも大きな武器だ。現在故障で離脱中の会沢翼が復帰した場合一軍に残ることができるかは微妙な立ち位置ではあるが、チームの将来を考えると極めて重要な選手であることは間違いない。また多く打席を経験させるためにも、捕手以外のポジションでも積極的に起用してもらいたいところだ。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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