さらには、カフェのポイントシステムのように「1回やったらスタンプを押せる」というカードをつくって、10個スタンプがたまるごとに、自分へのご褒美として「報酬」を決めておくと、より効果的でしょう。
ここで挫折しないために重要なのは、どれくらいステッパーを踏んだのかという「時間」や「ステップ数」を記録したりしないことだと思います。
毎日の踏んだ数を比較してしまうと、「今日は少ししかやっていない」「先週のほうががんばっていた」と思ったときに、モチベーションがするすると下がってしまうからです。
「ほんの少し進める」ルールの本質は、どれくらいたくさんできるようにするかではなく、継続するための習慣をつくる、という点にあると思っています。
ですから、とことん自分に甘く、1日1分でもステッパーを踏んだらスタンプを押すという、ゆるい姿勢をもつことが大切です。
■挫折しやすいのは、がんばれない人ではなくがんばり屋
過去に、とある運動選手が、「途中で挫折しやすい人というのはがんばれないのではなく、完璧を求めすぎるがんばり屋が多い」と言っていました。
最初の、0を1にする段階からすでに意気込んでいるため、その後でちょっとつまずくと、気持ちが折れてやめてしまうのです。
最初は軽い気持ちで、ほんのちょっとだけ進めて終わる、がんばろうとしない人のほうが、結果として習慣をつくりやすく、長く続けられるわけです。
ちなみに私は、息子の宿題に関して、「全部やらなくても、少しでもやればOK」というスタンスでいます(もちろん全部やるに越したことはありませんが)。
今は小学2年生なので、無理に「やらなくては」という気持ちを起こさせ、完璧にやらせて勉強嫌いにさせてしまうよりも、ほんのちょっとでもいいので毎日やるということに重点をおき、習慣をつくれるよう誘導するのです。
何かを始めるときに、わざわざ気合を入れたり、モチベーションを高めたりする必要なんてないと、自分に言い聞かせておきましょう。
結局は、少しずつでもコツコツ続けられる人間が、一番強くなれるのですから。
杉山奈津子
〈受験シーズン〉東大卒ママ受験シーズンに伝えたい 合格する人・不合格の人の決定的な差は「復習」にあり