結果的には今季ワーストの結果で、アストロズを封じ込めることはできなかったが、ダルビッシュの今回の投球が2017年のように最悪だったかといえばそんなことは一切ない。多少、変化球の調子が悪かったとはいえ、 3回までヒットによるランナーを許さず、計5つの三振も奪っている。また崩れたといっても、4回に5番コレアに浴びた本塁打と、審判の微妙な判定に泣かされた5回以外、他に悪目立ちをしていた場面はない。むしろ、「やはり2017年の試合では不正行為があったのだ」と確信させるほど、ダルビッシュは相手を抑えていた。

 しかも、特にここ最近では連勝を含む5勝1敗の成績を残しており、防御率は一時1.75でリーグ4位につけるほど、好投する試合の方が圧倒的に多い。前出のエース記者も、「彼が登板する時は、野手陣は気が楽になりますよ。打席に集中するだけで良いのですから」というほどチームからの信頼も厚い。もしアストロズとの試合結果を見て心配することがあるとすれば、本人が苦手というデーゲームを克服すべきことと、長期遠征時における体調維持管理だけだろう。

 事実、デーゲームで調子が良くないということは、ナイターの防御率1.37に対して、デーゲームの防御率は3.92と、データ上にも明白に現れている。今回の試合も13:10にスタートしていたため、もともと調子が上がらなかったのだろうと推測することもできるが、一方で、この試合の前にあたる23日のマリナーズ戦では7回7安打1失点、無四球と抜群の安定感をみせおり、この苦手意識を克服できる可能性は大いにある。

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