もう一つ、体調面についてもそこまで心配することでもない。ダルビッシュは、「(24日からの)ミルウォーキーに行ってから食べるものがあまりなくて、むちゃくちゃいいというわけではなかった」と述べるように食事面で苦労した事を明かしているが、次回以降は日本食を多く用意するとも述べており、解決はそう難しくはないだろう。

 繰り返しになるが、今回は、相手が“あの”アストロズだったから、普段以上に結果が取り上げられてしまっているだけだ。もしかするとあのワールドシリーズ以降、ダルビッシュはアストロズに対して精神的に苦手意識を持ってしまっているのかもしれないが、「この試合だけでそれを判断するのは公平ではない」とエース記者は一蹴する。

 米球界がアストロズの不正に対し公に何らかの罰則を与えない限り、米メディアはいつまでも2017年のダルビッシュを引き合いに出すことが容易に想像できる。あるいは、9月に予定されている次のアストロズ戦で、過去の因縁を晴らす機会でもあれば、この話は完結することだろう。

「確かに今日は調子は悪かったが、そんなことを気にする必要は一切ない」と前述のエース記者は続け、過去の個人的な因縁よりも、現在所属するパドレスを優勝に導くことこそが、ダルビッシュに課せられた本当の使命であるとも述べた。そして最後に、「ダルビッシュがいることで、チームは自信を得ることになったのです」と、彼の持つ本来の投球力と、そこからつながるチームへの正の影響力に大きな期待を込めて話を閉じていた。(澤良憲/YOSHINORI SAWA)