その間、なかなか昇格争いに加わることもできず、ロティーナ体制下の2年間(2017年:5位、2018年:6位)はプレーオフ進出を果たしたが、2019年からは13位、12位と我慢のシーズンが続き、今季も16試合を終えた時点で勝点21(6勝3分7敗)の11位(22チーム中)と苦しんでいる。クラブの強みであるアカデミーは、依然として高いブランド力と育成力を誇示し続け、J2降格以降も次々と好タレントを輩出。2020年には史上最多3度目となる「最優秀育成クラブ賞」も受賞した。

 しかし、その若手たちはすぐに引き抜かれる形で他クラブに移籍。現チームにも今季開幕戦で15歳でのJデビューを果たした橋本陸斗など将来が楽しみな若手は所属しているが、チーム成績は伴っていない。さらにコロナ禍で経営難に陥り、昨年末には資金ショートによるクラブ存続の危機に見舞われるなど、グラウンド外でも心配なニュースが多い。今後、舵取りを間違えれば、J3降格という事態も十分にあり得る。

その東京ヴェルディと同じく「オリジナル10」の一員であるジェフ千葉も、J2暮らしが長くなり、今年で「J2連続12年目」のシーズンを迎えている。ジェフと言えば、オシム監督。独自の理論をもとに革新的でダイナミックなサッカーを展開してJ1の優勝争いに加わり、2003年から年間3位、4位、4位の好成績。リーグ制覇は叶わなかったが、2005年、2006年のナビスコ杯連覇を成し遂げた。

 だが、佐藤勇人や阿部勇樹、巻誠一郎、羽生直剛といった“オシムチルドレン”が次々と他クラブへ移籍すると、代わりの戦力補強も間に合わず、2009年にリーグ戦最下位となる18位で初のJ2降格。以降、J1に復帰できていない。その間、4度プレーオフに進出してJ1復帰のチャンスはあったが、2018年以降は14位、17位、14位と低迷し、今季は16試合終了時点で勝点23(6勝5分5敗)の9位(22チーム中)。現チームには J1の経験がある選手も多く、新外国人FWサウダーニャへの期待も高いが、まだJ1昇格圏(上位2チーム)は遠いところにある。

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J3に落ちそうなチームも…