日本ハム栗山監督(左)とDeNAの三浦監督(右) (c)朝日新聞社
日本ハム栗山監督(左)とDeNAの三浦監督(右) (c)朝日新聞社

 連日熱戦が続くプロ野球だが、セ・リーグでは三浦大輔新監督を迎えたDeNA、パ・リーグでは就任10年目となる栗山英樹監督が指揮を執る日本ハムと、ある意味対照的な2球団が最下位に沈み苦しんでいる。DeNAは梶谷隆幸と井納翔一がFAで退団し、日本ハムもエースの有原航平がメジャーへ移籍したことを考えると致し方ない面もあるが、それ以上にチームの歯車が噛み合っていないように見える。しかしレギュラーシーズンはまだ100試合以上残っており、諦めるのは早いことも確かである。そんな両チームが巻き返すためにポイントと、今後期待できるプラス要因について考えてみたいと思う(※成績は5月13日終了時点)。

【写真】DeNAの巻き返しに必要なのはやっぱりこの人!

 まずDeNAの大きな課題と言えるのが投手陣だ。昨年チームの勝ち頭だった大貫晋一がここまでわずか1勝、防御率6点台と苦しみ、井納の穴を埋める存在として期待された京山将弥、阪口皓亮、入江大生といった若手もほとんど試合を作ることができていない。リリーフ陣も昨シーズン不振だった山崎康晃に復調の兆しが見られるのは好材料だが、先発が序盤で崩れる試合が多いこともあって、全体的に登板数が多い投手が目立つのも気になるところだ。

 先発で上積みとして期待されるのはやはり今永昇太の復帰だ。左肩の手術の影響で出遅れていたが、二軍では順調に調整を続けており、5月12日に行われたイースタンリーグのロッテ戦では8回を無失点と好投。このまま順調にいけば5月中の復帰も期待できる。また復帰時期は未定だが、右肘を痛めて戦列を離れている平良拳太郎も離脱前の2試合は安定した投球を見せている。

 リリーフで期待したいのがこちらも故障からの復帰を目指す田中健二朗だ。2019年にトミー・ジョン手術を受け、昨年からは育成選手としての契約となっているが、今年はここまで二軍でチームトップの14試合に登板して防御率は0点台と安定した投球を続けている。2016年からは2年連続で60試合以上に登板した経験豊富な左腕だけに、支配下登録されて一軍昇格となれば、ブルペンにとって大きなプラスとなることは間違いないだろう。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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