一方の打線は佐野恵太、宮崎敏郎が安定してヒットを重ね、ルーキーの牧秀悟も大きな戦力となっている。また来日の遅れていたソトとオースティンも徐々に調子を上げてきており、彼らが並ぶ中軸の破壊力は他球団と比べても全く遜色ない。そうなってくると重要になるのがチャンスを作る1、2番になる。

 最も多く1番を任されている桑原将志は打率こそまずまずの数字を残しているが淡白な打撃も多く、出塁率の低さが気になる。2番もあらゆる起用を試してはいるが、どの選手も機能しているとは言えない状況だ。中軸の長打力を生かすためにもやはり1、2番の出塁はカギとなるだけに、最も出塁率が高く、チャンスを広げる役割もこなせる佐野を2番で試すなど、新たな打順も検討してもらいたいところだ。

 日本ハムで現在大きな課題となっているのが得点力不足と不安定なリリーフ陣だ。昨年打点王に輝いた主砲の中田翔と、チーム2位の本塁打、打点をマークした大田泰示が揃って不振に陥り、打順を固定することができていない。リードオフマンの西川遥輝も持ち味である出塁率の高さは発揮しているものの、打率は2割台前半で盗塁数も少なく、役割を十分に果たせていないのが現状だ。

 そんな中で期待したいのが若手では野村佑希とルーキーの五十幡亮汰の2人だ。野村は4月10日のオリックス戦で左膝を打撲した影響で戦列を離れているが、開幕から6試合連続安打をマーク。五十幡はキャンプで左太腿裏の張りの影響で出遅れていたが、5月7日にようやく一軍登録されると抜群のスピードを生かしたプレーを見せている。来年以降のことを考えてもこの2人の成長は必要不可欠なだけに、揃ってスタメンに名を連ねる試合が増えることを期待したい。

 一方のリリーフ陣は、長年ブルペンを支えてきた宮西尚生が不調で登録抹消となり、抑えに抜擢した杉浦稔大も不安定な投球が続いている。4月下旬に一軍に合流したB.ロドリゲスと開幕後に阪神から金銭トレードで獲得した谷川昌希がまずまずのピッチングを見せているのはプラス材料だが、他球団と比べてもブルペン陣が弱い印象は否めない。先発はルーキーの伊藤大海が有原の穴を感じさせないだけの活躍を見せているだけに、リリーフ陣も新たな柱を早く確立したいところだ。

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今後はDeNAの方が上昇の気配あり?