実際に接種してみると、痛みを感じる間もなく、あっという間に接種は終了。接種した部位が腫れることもなく、倦怠感や熱が出ることもなく、午後の診療を淡々とこなすことができました。しかし、接種から5時間ほど過ぎたあたりからでしょうか。次第に、左腕がなんだか重いような、そんな感覚を覚えました。接種から8時間ほど経過した頃からは、接種から腕を上にあげようとすると、筋肉痛のような強い重い痛みを感じるようになったのです。

 翌朝には痛みで目が覚めるほどでしたが、明け方が痛みのピークだったようです。次第に痛みは弱まり、翌々日には痛みは消えていました。幸い、熱が出ることもなく、倦怠感を感じることもなく、新型コロナウイルスワクチンを接種してから1週間が経とうとしています。

 日本でも、医療従事者に加えて、ようやく高齢者への新型コロナウイルスワクチン接種が開始されましたが、世界の接種状況をみると、その差は開く一方のようです。One World in Dataによると、5月1日時点で、イスラエルは総人口あたり62.5%の人が、少なくとも1回の接種を終えています。イギリスは人口の50.6%(4月30日時点)、アメリカは43.7%(5月1日時点)が終えており、日本はたったの2.0%(4月29日時点)です。

 接種の進む国々では、新規感染者数は減少を認めています。例えば、接種が最も早く進んでいるイスラエルの5月2日時点での新規感染者数は73人で、4月中旬からは屋外でのマスクが不要となっています。総人口の半数が1回目の接種を終えたイギリスの、5月2日時点での新規感染者数は2,188人です。1月初旬の新規感染者数が6万8千人とピークを迎えた頃と比較すると、ワクチン接種が進むと同時に感染者数は大幅に減少を認めており、4月12日からは、パブやレストランの屋外席での営業再開、小売店やジム、美容院なども営業が再開されました。このままいけば、厳しい規制の段階的な緩和が今後進んでいくでしょう。

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海外ではワクチン接種が進むとマスク着用の規制が解除