大阪府の吉村洋文知事は4月20日にも新型コロナウイルスの感染拡大のため、3度目の緊急事態宣言の発出を政府に要請すると発表した。
【写真】大阪の「見守り隊」が飲食店に配っているチェックシートはこちら
大阪府は新規感染者数が6日連続で1000人を超え、18日には過去最多の1220人を記録。19日も月曜日としては過去最多の719人だった。
重症病床使用率は100%に達し、滋賀県に応援を求めるなど逼迫した危機的な状況だ。大阪市でコロナ患者の治療に当たっている医師は苦悩の表情でこう話す。
「人工呼吸器を使用するかどうか、決断が迫られる。人工呼吸器が必要な患者さんが多すぎて、人手が足りない。年齢が若い人の方が回復の可能性が高い。重症化した高齢者のご家族には事情を説明し、ご理解をいただかないといけない事態です」
大阪の歓楽街は夜になるとネオンも消え、真っ暗になる。時短要請で飲食店はほとんどが夜8時には閉店している。そんな中、大阪府と大阪市は「飲食店に対するガイドライン遵守徹底のために見回り調査」を開始している。
発足当初は大阪府と大阪市の職員が対応していたが、現在は民間業者に依頼。昼間は300人、夜間は100人体制で感染対策の徹底を呼び掛けるため、飲食店をチェックする「見回り隊」を発足させた。
5月5日までに大阪市内の約4万店を2人一組でまわり、聞き取りや店の様子を見て、感染防止対策チェックシートに記入し、注意を呼び掛けるという。チェックシートを見ると、以下のような確認項目にある。
<感染防止宣言ステッカーを導入・掲示しているか>
<コロナ追跡システム(QRコード)を導入しているか>
<営業時間短縮要請に応じているか>
大阪府のコロナウイルス対策本部会議に提出された資料によれば、4月5日から12日で3346店舗を見回った。うち調査できたのは2001店舗、不在などで調査できなかったのは1345店舗。調査を拒否した27店舗だった。
消毒液などの設置は調査店舗のうち約93%で実施されていたが、 アクリル板の設置は約64%にとどまった。
驚かされるのは、大阪府が警察の出動や法的措置まで明記していることだ。