夜8時以降の見回り隊は民間委託の100人に加えて<大阪府警察確認地区周辺重点警ら>とある。4月15日以降は調査拒否の店舗を訪問する際、<大阪府職員+大阪府警察(同行)>とも記されている。それに従わないと<法的措置>ともある。

大阪府危機管理室はこう説明する。

「夜の街関連は予め、訪問地域を把握している警察に事前連絡をして、トラブルを防ぐために警戒にあたってもらう。調査を拒否し要請に応じてもらえない場合、警察に同行してもらうという意味です。現在のところ、まだ警察同行はしていない」

 しかし、大阪府議はこの要請に反発を覚えたという。

「コロナで時短要請をしている飲食店を警察まで使って抑え込むのは強権的過ぎる」

 現在、稼働している見回り隊の人数は昼と夜合わせて400人に上り、すべて民間委託だという。インターネットの求人サイトを見れば、見回り隊のアルバイト募集と思われる広告が多数、掲載されている。実際に求人応募して、アルバイトで採用された男性がこう証言する。

「低姿勢で丁寧に説明するように指導されました。大阪・ミナミでチェックシートを見ながら、指定された店舗を訪問しています。チェックシートには10ほどの項目がありますが、ざっと店内を見れば、ほぼわかります。店主などと話してもせいぜい2、3分もあれば十分。時給は1300円で、交通費も全額支給。コロナで仕事がなくなってニートだったので助かっています。学生の人が多いですね。仕事も楽です。サクッと稼げるオイシイ仕事。ただ、通勤電車、歓楽街と人が多いところに行くのでコロナ感染は怖いですよ。感染したら吉村知事が責任取ってくれるんかいな」

 一方、調査を受けた店舗店主の証言だ。

「大阪府から調査に来ましたと見えましたよ。店内の消毒液だとか座席間隔とか見て、うちはアクリル板がないので、どうしてなのかと聞かれ、『品切れで買えません』と答えると、それで終わった。チェックシートをもらって書き込んで5分もかからなかったかな。何のためやったんかな…。協力しないと警察が来ると別の店から聞いていたので、拒否したらヤバイと応じました」

次のページ
大阪府はAERAdot.の直撃に対し…