とはいえ、栗山監督はメディアなどで斎藤への期待感を語るが、実際には復活へ向けてはかなり厳しい状況だ。

「復帰に時間のかかる手術を回避し、早期復活に向けて『PRP療法』を選択したが、復帰までには時間がかかる。斎藤本人の苦悩を近くで見ている栗山監督からすれば、胸を打たれる。しかし試合で投げるには時間がかかりそうで、戦力としては機能しない。周囲からは反発を通り過ぎて、呆れるような声も聞こえます」(在京テレビ局スポーツ担当)

「(斉藤は)一軍で戦力になるのが復活と言える。キャンプ終盤の様子を見る限り、今年中は厳しいはず。今年はしっかりリハビリをして、来年の完全復活(=一軍で戦力)を目指しているという声もある。斎藤に関しては可能性があればかけてみる価値はあるかもしれない。しかし栗山監督はそうも言っていられない立場」(日本ハム担当記者)

 栗山監督は12年に就任し、1年目からリーグ優勝を果たすなど、過去9年間で2度のリーグ制覇を成し遂げ、16年にはチームを日本一に導いた。Aクラス5回、Bクラス4回と常に安定した結果を残してきたわけではないが、若手育成などでもその手腕を発揮してきた。

「監督経験なしで就任したのに、この成績は立派だと言える。しかし10年目という長期政権で考えると、可もなく不可もなく、という感じ。大谷翔平の育成は素晴らしかったが、清宮幸太郎、吉田輝星などの逸材を生かしきれていないのも事実。新球場ができることもあり、球団として心機一転の時期かもしれない」(元日本ハム球団関係者)

 メジャー志向が強かった大谷を口説き落とし、日本ハム入団にこぎつけた。大事に使い続け、『二刀流』としてアメリカでも活躍する選手に育て上げた実績は賞賛に値する。しかし、その後入団した17年1位の清宮、18年1位の吉田らは一軍での実績が残せず苦しんでいる。

「23年開場予定の新球場は球団存続をかけた大プロジェクト。国内屈指の大都市・札幌から、地方都市・北広島市への本拠地移転はリスクが大きい。球団は以前のように話題性が豊富でもない。結果が出せず、期待の若手も伸び悩んでいる現状は、栗山監督にとって逆風でしかない。今のままでは誰も新球場へ足を運ばなくなるよ」(北海道財界関係者)

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今年の結果次第で…