若手の成長株として注目を集める村上礼華(撮影/平野敬久)
若手の成長株として注目を集める村上礼華(撮影/平野敬久)

 ビーチバレーボールといえば、灼熱のビーチをダイナミックに舞うスポーツ。小麦色の肌に身を包む選手たちのはじける汗とその笑顔はいつも眩しい。かつて、『ビーチの妖精』と呼ばれた浅尾美和が一躍このスポーツをこの世に広めた。しかし、浅尾が引退した現在でも妖精に負けない光り輝く個性を持つ若き『ビーチの女神』たちは存在する。4回に渡ってビーチの女神の武器とその横顔を紹介する連載の今回は第3回目(第1回は鈴木千代、第2回は坂口由里香)。

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 今回紹介するのは、元ビーチバレーボール日本代表でシドニーオリンピック4位入賞を果たした佐伯美香(現松山東雲女子大学ビーチバレーボール部監督)の秘蔵っ子で若手の成長株として注目を集める村上礼華(ダイキアクシス)、24歳だ。

 出身は淡路島の南あわじ市。村上のバレーボールのルーツは、「パワフル・カナ」(元日本代表・大山加奈さんの愛称)への憧れから始まった。

「保育園の時に日本代表女子チームの試合をテレビで観て、大山加奈さんの迫力のあるスパイクがかっこいいと思って、小学校に入学したらバレーボールを始めました」

「あまり積極的じゃなかったので怒られてばかりいた(笑)」という村上だが、小学校で6年間、中学校で3年間、バレーボールに打ち込んだ。高校は県内のバレー強豪校・淡路三原高校へ入学。そこでビーチバレーと初めて出逢った。

 高校卒業後は、「もうバレーボールは高校まででやり切った。大学では違うことをやろう」と考えていた。その時、松山東雲女子大学でビーチバレーボール部を立ち上げることになった佐伯に「ビーチバレーをやってみない?」と声をかけられた。当時、マドンナカップ(高校女子選手権)を視察に訪れていた佐伯は、村上の姿を見た時の印象をこう振り返る。

「一目見て釘付けになりました。この選手はすごい選手になる!と衝撃を受けたのをよく覚えています」

 村上は佐伯からの誘いを受けた。「ビーチバレーはたくさんボールにさわれるし楽しいイメージがあった」と迷いなく、自らの意志で松山東雲女子大学の門をくぐった。

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本能のままに勝利を追い求める