ブレーメン・大迫勇也(写真/gettyimages)
ブレーメン・大迫勇也(写真/gettyimages)

 かつては片手で数えられるほどだった海外組は、年々その数を増やし、現在は30人以上の日本人選手が欧州リーグでプレーしている。しかし、その誰もが順風満帆の時を過ごしている訳ではない。評価を上げた選手もいれば、評価を下げてしまった選手もいる。シーズンも残り3分の1を切った中で、今季海外日本人選手の「評価上昇」&「評価下落」のトップ3、ワースト3を選びたい。

 日本のスポーツニュースに取り上げられる機会は少ないが、ポジティブなシーズンを過ごしている日本人選手は意外と多い。鎌田大地(フランクフルト)はドイツで華麗に舞い、同じチームの37歳・長谷部誠(フランクフルト)は老いて益々盛んな状況。PSVからレンタル移籍中の堂安律(ビーレフェルト)は再浮上の気配を見せ、板倉滉(フローニンゲン)は先発フル出場を続け、鈴木優磨(シントトロイデン)と浅野拓磨(パルチザン)の2人はゴールを量産中だ。そしてDF冨安健洋(ボローニャ)は毎週、イタリア・セリエAの舞台で能力の高さを見せている。だが、冨安は「加入1年目の昨季がセンセーショナル」だったことを考えると、今季の「評価上昇」という今回の枠からは外したい。

 それらを考えると、「評価上昇」の3位にはベルギーでプレーする森岡亮太(シャルルロワ)を推す。海外挑戦6シーズン目となる今季は、開幕戦で昨季王者のクラブ・ブルージュから決勝点を奪うと、その後もスタメン出場を続けて開幕7連勝に大きく貢献。長くトップ下が定位置だったが、昨季途中からボランチに転向した中で、持ち前の技術力とパスワークでゲームをコントロールし、華麗なスルーパスでアシストも量産している。今年に入ってチームが勝てない時期が続き、2月20日の第27節・ベフェレン戦では負傷交代となったが、森岡不在の間、チームは2分1敗。地元サポーターに自らの存在の大きさを改めて認めさせる形になっている。

 続く「評価上昇」の2位には、遠藤航(シュトゥットガルト)を選ぶ。今季が海外4シーズン目。昨季リーグ戦21試合に出場して1部昇格に貢献すると、今季は「デュエルの鬼」として中盤の強度アップに大きく貢献し、その評価はうなぎ上り。今年2月27日の第23節シャルケ戦では2得点2アシストの大活躍を見せ、ドイツ誌『キッカー』で今季3度目のベストイレブンと初の当節MVPに選ばれた。ドイツの移籍専門サイト『Transfermarkt』による推定市場価格では、2020年7月の250万ユーロ(約3億2000万円)から同年11月には600万ユーロ(約7億8000万円)となり、今年2月には800万ユーロ(約10億4000万円)にまで急騰している。

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遠藤より上と評価できる選手は?