また、私は差別者集団・在特会の元会長、桜井誠が率いる日本第一党のメンバー約30名による“辺野古襲撃”の現場に居合わせたこともある。

 17年の冬だった。

 メンバーらは辺野古で座り込む市民に対し「じじい、ばばあ」「くさい」などと罵声を飛ばし、威嚇した。

 取材中の私に「安田は出ていけ」などとはやし立てるのは一向にかまわない。だが、無抵抗で座り込む高齢の市民に悪罵をぶつける態度はチンピラ以下だ(街のチンピラだって、そこまではしない)。

 差別者集団はこうしたことを幾度も繰り返している。旭日旗を振り回しながら市民に向けて「非国民」「売国奴」「無法者」と絶叫し、「ここにいるやつらを撃ち殺せ」と殺戮を煽る。「無法者」はいったいどちらなのか。

「暴力の被害」を訴えたいのは、むしろ一方的に罵られる側の市民たちであろう。

 このようにデマ屋と差別者が車の両輪よろしく沖縄を蹂躙している。

 ちなみに前述した「ニュース女子」の放映から1カ月後の2月24日、日本プレスセンター(東京都千代田区)において、「辛淑玉氏等による東京MXテレビ『ニュース女子』報道弾圧に抗議する沖縄県民東京記者会見」がおこなわれた。名称が示す通り、これは番組内容が人権侵害だとしてBPOに申し立てした辛淑玉(番組でも運動の黒幕として名指しで批判されている)に抗議し、さらには一連の番組批判を「報道弾圧」だと訴えるものだった。

 会見に出席したのは「琉球新報、沖縄タイムスを正す県民・国民の会」代表運営委員の我那覇真子、「沖縄教育オンブズマン協会」会長の手登根安則、「カナンファーム」代表の依田啓示ら沖縄県民と、衆院議員の杉田水脈、カリフォルニア州弁護士のケント・ギルバートの5人(肩書はそれぞれ主催者が発表したもの)。沖縄県民3人は、いずれも「ニュース女子」の沖縄ロケで番組側に協力、インタビューに答えた人たちだ。なお、司会進行は『沖縄の不都合な真実』(新潮新書)の著者で、評論家の篠原章が務めた。

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記者会見と言いながら、一切の質問を禁じられ…