だが、スタジオの反応は冷淡だった。出演中の「識者」(いずれもメディア関係者)からはこんな言葉が返ってきた。

「沖縄差別というのは間違いですよ。本土の人は沖縄を好きな人が多い。いまどき、差別なんてありません」

 この言葉に反応したのは私ひとりだった。

 いくぶんムキになって反論したが、短い時間の中では、おそらく十分に私の思いなど伝わっていないだろう。

 差別者が差別を自覚することはない。出演した私が得たのは、その確信だけだった。

 沖縄の新聞を取材する過程で沖縄の歴史と接し、少しは人々の思いに触れ、同時に「本土」の無関心と偏見、メディアの冷淡さも知ることができた。

 だから私も立ち続けようと思う。いつまでも、この場所にいようと思う。

 それは沖縄のためじゃない。沖縄に寄り添って、沖縄から好かれるためでもない。

 私が生きている社会を変えるためだ。差別と偏見がぶつけられる沖縄の姿は、日本社会の歪みやねじれでもある。だから私は、ここから離れない。