メジャーでの活躍も期待される広島の鈴木誠也 (c)朝日新聞社
メジャーでの活躍も期待される広島の鈴木誠也 (c)朝日新聞社

「(メジャー挑戦について)話はしましたが深くはしていない。状況が合えば、タイミングが合えばというニュアンス」

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 広島・鈴木誠也のメジャー挑戦の意思は揺らいでいないようだ。

 コロナ禍の中、選手自身も様々なことを考慮し自らの身の振り方を模索している。ヤンキースからFAとなっていた田中将大は日本球界復帰を選んだ。いくつかの選択肢がある中で、鈴木はメジャー挑戦を来るべき『夢』として追い続けている。

「マエケン(前田健太・ツインズ)の時もそうだけど、基本的にメジャー志向の選手はできる限り応援してやりたいという気持ちはある」(広島・鈴木清明球団本部長)

 鈴木個人の権利となる海外FA権取得まで、順調にいって残り2年36日。最短でも30歳目前での挑戦となり、普通に考えれば野球選手としては全盛期ギリギリの時期となる。球団としても鈴木の気持ちを尊重し、夢の後押しをしてくれるのは心強い。

 12年ドラフト2位で二松学舎大附属高から広島入した鈴木は、高校時代は投手だったがプロ入り後は野手に転向。4年目に打率.335、29本塁打、95打点の成績でブレークを果たすと、その後は広島の主軸打者としてチームの3連覇にも貢献。リーグを屈指の強打者となり侍ジャパンの4番も務めた。

 順調に見えるプロのキャリアだが、野球人生に影響する大きなケガにも見舞われたこともある。17年8月22日の対DeNA戦(横浜)、右翼での守備中に右足首を負傷。右脛骨内果の剥離骨折と診断され、残りのシーズンを全休した。

「足のケガは想像以上に重傷だった。本来なら完全復帰に1年近くはかかる。だが当時はCSでの復帰を諦めず、リハビリに全力を注いだ。持ち前の身体の強さもあり、結果的に間に合いはしなかったが驚異的なペースで回復した。しかし無理をした部分もあり身体のバランスが少し崩れた。重心や筋力量などを矯正して、現在の鈴木は完ぺきに近い身体になっている」(広島関係者)

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