巨人には先頭で変えていって欲しい。新しいことやろうとしているのは分かるが、まだ振り切れていない感じ。今オフも従来と代わり映えしないテレビ番組出演に終始していた。伝統球団ゆえに変化するのは難しいのだろうが、中途半端な露出は逆効果にもなる。ゼロか100ではないが、これまで想像もつかなかったことをやればインパクト大。巨人はテレビ、SNSなど、それぞれの分野で突出したものを目指すべき」(大手広告代理店関係者)

「巨人軍は紳士たれ」は初代オーナー正力松太郎氏が残した大事な遺訓でもある。グラウンド内外で社会的規範になることが求められ、服装を含めた立ち振る舞いも重要視される。長年にわたり長髪、ヒゲなどが禁止されているのもその一つ。しかし最近は極端なものでなければ、見栄えや印象がそこまで悪くなるものではなくなっている。

 巨人も時代に即して変わり始めている。06年オフには、当時の球団会長だった渡邉恒雄氏がFA移籍で日本ハムから加入した小笠原道大に対し、「好きなようにしたら良い。時代が違うんだから」とヒゲを認める発言をした。また今オフにはキャプテン坂本勇人がヒゲを生やした写真が公開され、話題になった。

「巨人の就業規則のような形で決まっている訳ではない。あくまで球団の伝統に則った暗黙の了解。94年には横浜から移籍してきた屋鋪要がヒゲのままプレーしている。判断基準としてはヒゲを生やした風貌が紳士的に見えるかどうか。これは個人の価値観によるものなので、難しい部分がある。坂本の場合、無精ヒゲのような感じだったが爽やかなイメージとマッチしている。また長髪ではないが、以前には後ろ髪を長めにした髪型にも挑戦している。今後、同様の選手が出てくることも十分に考えられる」(巨人担当記者)

 見た目に対する認識は、一般社会でも変化している。ヒゲを生やしたスーツ姿のサラリーマンも街で見かけるようになった。こまめに手入れが行き届き、似合っていれば個性として問題なくなった。野球界でも髪色を変えたり、ヒゲを伸ばしている選手は増えている。中には信じられないような奇抜なスタイルの者もいるが、それも個性と受け止められている。

次のページ
“見た目”のインパクトを重要視すべき?