矢部浩之 ぐるナイ生放送・アウト×デラックス撮って出しで味わえたテレビの本来の面白さ

道理で笑える ラリー遠田

ラリー遠田

2020/11/07 11:30

『アウト×デラックス』が始まると、そこで岡村の結婚の話題が出てきた。これから矢部が『ぐるナイ』の生放送に行くという話をしたところ、マツコ・デラックスが仕掛けた。

「あちらはあれだもんね、ケーキ爆破だもんね」

 矢部はすかさず「言うな!」とツッコミをいれた。でも、マツコは「いいじゃない、オンエア終わってるんだから」と意に介さない。

 確かにマツコの言う通りで、この『アウト×デラックス』が流れている時点では『ぐるナイ』の生放送はすでに終わっているので、視聴者にとってネタバレにはならない。

 矢部もすぐに納得して、ケーキ爆破の瞬間には「よけてください」と事前にスタッフから言われていると明かした。さらに「まあ、岡村さんも知ってんねんけどな」と内幕をあっさりバラしてしまった。

 芸人がケーキ爆破を食らうとき、実際には自分の方に向けられた「大砲」がケーキの下から見えている。でも、見てみぬふりをするのが芸人の仕事だというわけだ。

 そんな話がポロッと飛び出したのも、「撮って出し」の現場特有のゆるい空気があったからこそだ。一応、サイコロを振って出たテーマに沿った話をするという企画は用意されていたものの、最後までゆったりしたテンポで番組は進んでいった。

『5時に夢中!』で生放送に慣れているのでドンと構えているマツコも、どんなときにも冷静な矢部も、いつになく緊張している山里亮太も、何を言うかわからない危険さを秘めたレギュラー陣も、それぞれのたたずまいが新鮮で面白かった。

 今の地上波テレビでは「きっちり作り込まれた事前収録番組」と「無難なことをやる生放送番組」の2つばかりが目立つ。はからずも生放送に近い「撮って出し」になってしまった『アウト×デラックス』を見ていて、次に何が起こるかわからなくてドキドキするような生放送の面白さを久しぶりに味わった。

 番組の中でマツコがボソッとつぶやいた「これ、このままこのダラダラ話で終われない?」という言葉がそれを物語っていた。たまにはこんな回があってもいい。(お笑い評論家・ラリー遠田)

ラリー遠田

ラリー遠田

ラリー遠田(らりー・とおだ)/作家・お笑い評論家。お笑いやテレビに関する評論、執筆、イベント企画などを手掛ける。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり<ポスト平成>のテレビバラエティ論』 (イースト新書)など著書多数。近著は『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)。http://owa-writer.com/

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