また、自由診療は保険診療との併用が原則として認められていません。そのため、保険診療であるむし歯や抜歯などの治療では保険適用となるX(エックス)線検査の検査費用なども、自由診療であるインプラント治療で同様の検査をおこなった場合は、全額自己負担となります。

 しかし、インプラントは順調に経過すれば10年単位で長持ちするほか、残っているほかの天然歯にかかる負担を少なくすることができるという大きな利点があります。

 さらに天然歯に近い感覚でかめるようになり、かみ合わせの状態やあごの動きが義歯に比べて安定するという利点もあります。

 そのため、個人差はありますが、総合的にみればコストパフォーマンスに優れているといえるでしょう。

 インプラント治療費は、自由診療で各歯科医院が独自に料金を設定するため歯科医院によって治療費が異なります。

 標準の料金帯よりも、ずっと安く設定している歯科医院もあります。費用は歯科医院を選ぶうえでの重要な基準になるので、安さは魅力的ですが、気をつけなければならない点もあります。
 
 例えば提示された金額はインプラントの埋入手術にかかる料金だけで、それ以外の検査や上部構造の費用などはその料金に含まれておらず、後から別に請求されることもあるかもしれません。必ずインプラント治療のトータルでかかる費用を確認するようにしましょう。
 
 トータルの治療費があまりにも安い場合は、使用するインプラントや関連する材料などの質に問題があるなど、さまざまな可能性が考えられます。基本的に国が認可したインプラントや関連する材料に大きな問題があるとは考えられませんが、あまりに安い場合は、後々トラブルになることもあるので慎重に判断するようにしましょう。

※『「かめる幸せ」をとり戻す』より抜粋