同年のドラフトで、中日1位の立浪とともに、野村弘樹(大洋3位)、橋本清(巨人1位)が指名され、大学・社会人経由で片岡篤史(日本ハム阪神)と宮本慎也(ヤクルト)。プロ入り5人はKK世代と同じだ。

 このチームが、バース、掛布雅之、岡田彰布が中軸を打った87年の阪神より強いかどうかとなると、やはり答えは「NO」だが、勝算ゼロというわけでもない。中日の高卒ルーキー左腕・近藤真一が同年8月23日の阪神戦で、岡田の1安打だけに抑え、2対0で完封勝ちしたのが参考例だ。

 1年目にプロ初登板(広島戦)で無四球完封勝利を挙げた左腕・野村が試合をつくり、橋本の剛球で目先を変えたあと、この両エースとともに“3本の矢”と並び称された右腕・岩崎充宏(青学大-新日鉄名古屋)が最後を締めれば、3人で近藤1人分の仕事もけっして不可能ではないはずだ。

 打線は、「プロで2000本安打を打てる素質があった」と当時のコーチが評した1番・尾崎晃久(近大-川鉄水島)でチャンスをつくり、立浪、片岡らの中軸で勝負。ロースコアの接戦に持ち込めれば面白い。

 春夏連覇チームといえば、松坂大輔(現西武)が大黒柱だった98年の横浜も、小山良男(中日)、後藤武敏(西武-DeNA)、小池正晃(DeNA)の計4人がプロ入りし、松坂は西武1年目にいきなりリーグ最多の16勝。“平成の怪物”の出来次第では、同年、打てず、走れず、守れずで、セ・リーグ最下位に沈んだ阪神にも勝てるかもしれない。

 次は大学。即戦力級が多い分、高校よりもプロに勝てる確率は高くなる。

 イチ押しは、和田毅(現ソフトバンク)がエースだった02年の早大だ。打線も田中浩康(ヤクルト-DeNA)、青木宣親(現ヤクルト)の1、2番から始まり、3番・鳥谷敬(現ロッテ)、4番・比嘉寿光(広島)、6番・武内晋一(ヤクルト)、7番・由田慎太郎(オリックス)と強打者がズラリ。六大学リーグ戦で春秋連覇をはたし、翌年の鳥谷・青木世代まで4季連続優勝と無敵を誇った。

 もし、この早大と、同年日本一になった巨人とのドリームマッチが実現していれば、どうなっていただろうか?ダイエー1年目に14勝を挙げた和田と同年50本塁打の松井秀喜の対決シーンは、想像しただけでワクワクさせられる。

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他にもアマチームとは思えぬ戦力誇る大学も!