中日ではエース級の活躍を見せたチェンだが… (c)朝日新聞社
中日ではエース級の活躍を見せたチェンだが… (c)朝日新聞社

 ロッテがチェン・ウェインと契約を結んだ。優勝へ向けなりふり構わない姿勢は、これまで同球団になかったものだ。

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 元中日メジャーリーグで活躍した台湾人左腕だが、果たしてロッテのリーグ制覇に貢献できるのだろうか……。

「実績もあり値段も格安ですが、さすがに耳を疑った。中日時代は打てそうで打てない投手として有名だった。渡米した当初は順調だったが、晩年はチームに貢献できない状況。球速も落ち、持ち前の制球力も下がっていた。ロッテはリーグ優勝を狙えそうな位置におり、投手陣は若手中心でうまく回っている。1枚でも多いのに越したことはないが、チェンとは思わなかった」(ロッテ担当記者)

 9月21日、チェンのロッテ入団が発表された。9年ぶりの日本球界復帰で選んだのは、中日時代の10年に日本シリーズで対戦経験あるロッテだった。

 NPBでは04年から11年までの8年間、中日に在籍。127試合登板36勝30敗1セーブ、防御率2.59の成績を残した。その間、落合政権下で“常勝チーム”となった中日のローテーションでエース級の存在となった左腕は、新天地ロッテで『年俸3000万円の優勝請負人』として大きな期待をされている。

 03年末、国立体育学院学生のまま中日へ入団。成長を重ね09年には最優秀防御率のタイトルも獲得した。

 11年オフにボルティモア・オリオールズへ3年1200万ドル(約12億7000万円)で移籍。12年12勝、14年16勝、15年11勝と2桁勝利を重ね、期待に違わぬ活躍をみせた。15年オフにマイアミ・マーリンズと5年総額8000万ドル(約84億5000万円)という大型契約を結ぶ。しかし、移籍後は低迷し16年5勝、17年2勝、18年6勝と結果が出ず。19年は中継ぎで45試合登板、0勝1敗、防御率6.59に終わり契約を1年残して自由契約。今季はシアトル・マリナーズとマイナー契約を結んでいたが、6月にリリースされていた。

「ロッテはローテーションに変化を加えたかった。現在、先発投手が試合を作り、ブルペンが頑張って試合を作るのがプラン。打線の核となるブランドン・レアードも故障してしまい得点はあまり見込めず、これまで以上に投手陣の踏ん張りが求められる。しかしコロナ禍による過密日程で連戦が続き、疲労も蓄積してくる。右投手が並ぶ先発投手陣の中に左投手が1人でもいれば、目先を変えることもできる。総合的に考えれば良い補強になると思う」(ロッテ担当記者)

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“右腕過多”のロッテ先発陣を救えるか…