「古賀さんは会長としては残りますし、米倉さんを慕っている女優も多かった。『他のタレントが辞めても米倉さんだけは最後まで残る』というのが業界内の大方の見方だったので、退社には本当に驚きました」

 米倉をはじめとする人気タレントたちの退所ラッシュは、事務所の行く末にも暗い影を落とし始めそうだ。

 オスカーは1980年代後半から90年代にかけて活躍した後藤久美子(46)のブレークをキッカケに躍進し、自社が手掛ける「全日本国民的美少女コンテスト」出身の米倉や上戸彩(34)、剛力、河北麻友子(28)、武井咲(26)などが相次いで活躍したことにより、芸能界に一大勢力を築いてきた。その躍進を陰ながら支えたのが、最盛期には6000人以上いるとも言われた“オスカー美女軍団”の存在だという。

「大所帯であるオスカーには女優ばかりでなく、『オスカー美女軍団』と呼ばれる多数の女性モデルが在籍しています。とはいえ、そのほとんどはまだ大きな仕事がない“タレント予備軍”です。中にはレッスン料を払いながら系列会社のスクールに通ったり、プロフィルに使う宣材写真代を自腹で払って活動を続けている女性もいます。人数が膨大なだけに“諸経費”も事務所にとってもそこそこの収入となるようです。こうしたビジネスが成立するのも、オスカーの看板タレントがテレビなどで派手な活躍をすることで事務所のブランド力が上がり、“オスカーに在籍するモデル”という肩書に価値がつくからです。その意味で、スタッフやタレントの大量流出という報道は、当然『オスカー美女軍団』の人材確保にも影響するでしょう」(前出のスポーツ紙デスク)

 また、タレントの相次ぐ退社は、同社が独自に展開してきたタレントの「売り出し戦略」にも影響が出る可能性がある。芸能ジャーナリストはこう語る。

「かつての米倉さんや上戸さん、福田さん、武井さん、剛力さんもそうでしたが、オスカーは上層部が“これぞ”と判断した期待したタレントにはバンバン仕事を入れて、大規模なプロモーションを展開して売り出す傾向があります。まだそれほど実績がないうちから、いきなり大手クライアントのCMに出演させたり、連続ドラマや映画の主要キャストにブッキングしたりすることで知名度や露出度を高め、タレントとして一気にステップアップを図るわけです。ただ、露出と人気との間に大きなギャップが生じると“ゴリ推し”との批判の的にもなりかねません。しかも、売り出し中はハードスケジュールが続くので、タレント本人は精神的にも、肉体的にもかなり疲弊することになります」

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今後の鍵を握るのは上戸彩と武井咲