2010年代に入り、藤川がメジャーに移籍した後のクローザーとして活躍したのが呉昇桓(2014~2015年)だ。韓国球界で5度の最多セーブに輝き、鳴り物入りで来日したが、期待通り日本でも2年連続で最多セーブのタイトルを獲得して見せた。最大の特長は“石直球”の異名をとったストレートの強さだ。スピードガンの数字も150キロを超えることは珍しくなかったが、その数字以上にボールに強さがあり、空振りを奪うことができた。

 日本での2年間でも136回を投げて147奪三振とイニングを上回る奪三振数をマークしている。2016年から4年間はメジャーリーグでもプレー。今年古巣である韓国のサムスンに復帰し、今月13日には日米韓通算408セーブを記録し、岩瀬仁紀(元中日)の持つ407セーブのアジア記録も更新した。阪神でのプレー期間は短かったものの、その実績はさすがという他ない。

 呉の退団後にチームを支えたのがマテオ(2016~2018年)とドリス(2016~2019年)の二人だ。ともに2016年に来日し、1年目はマテオがクローザーとして20セーブ、防御率1.80をマーク。一方のドリスも故障で34試合の登板に終わったものの、3勝8セーブ9ホールド、防御率2.12とまずまずの成績を残した。

 翌年からはドリスがクローザー、マテオがセットアッパーと配置転換。2017年にはマテオが7勝36ホールド、ドリスが37セーブで最多セーブのタイトルを獲得するなど見事な成績を残している。ともに150キロ台後半のスピードで打者を圧倒するピッチングが持ち味で、まさにリリーフタイプの典型例と言える投手だった。また二人の風貌がよく似ていたこともファンにとっては思い出深いだろう。

 そして昨年圧倒的な成績を残したのがジョンソン(2019年)だ。開幕からセットアッパーとして16試合連続無失点という球団の外国人投手記録を打ち立てると、その後はコンディション不良で戦列を離れた時期もあったものの、最終的に58試合に登板して2勝40ホールド、防御率1.38という圧巻の成績を残した。

次のページ
今年に加入した救援右腕も活躍!