【中日】

・ゴンサレス:B

退団したロドリゲスに代わる中継ぎ候補として期待されて入団。ここまで8試合に登板して防御率2.00とまずまずの成績を残している。ストレートは驚くような速さはないものの、ボールの出所が見づらく、打者は差し込まれることが多い。変化球はそれほど目立つボールはないが、意外とコントロールが安定しているというのも持ち味だ。今後も勝ちパターンの中継ぎの一角として期待される。

・A.マルティネス:B

来日3年目だが、支配下登録されたのは今シーズンからということで対象とした。外国人捕手の一軍出場は20年ぶり、スタメンでは実に29年ぶりということで大きな話題となっている。守備面にはまだまだ課題は多いが、打撃に関しては十分に一軍のレベルに対応しており、ここまで4割を超える打率をマークしている。チームの得点力不足解消のために、捕手以外での出場も今後検討されることになりそうだ。

【ヤクルト】

・イノーア:C

ローテーションの一角として期待され、ここまで4試合に先発登板したものの、防御率は7点台と苦しんでいる。スピードはそれほどあるわけではなく、打者の手元で微妙に動くボールを駆使して打たせてとるピッチングが強みだ。7月15日の阪神戦では5回を投げてソロホームランの1失点だけと、粘り強さを見せたのは好材料。投手陣のコマ不足はチームの大きな課題だけに、今後もこの日のような投球を期待したい。

・クック:C

イノーアと同様に先発候補として期待されて入団したが、コンディション不足などもあり開幕から二軍暮らしとなっている。外国人投手にしてはそこまでスピードがあるわけではなく、カットボールが持ち味のピッチャー。ここまで二軍では3試合に登板して無失点と安定した投球を続けている。もう少し球威が上がってくれば、リリーフとしての起用も検討したい。

エスコバー:B

メジャーでゴールドグラブ賞を受賞した守備の名手で、ここまでその評判に違わぬプレーを度々見せている。若い頃ほどの守備範囲はないが、悪い体勢からも強いボールを投げられるスローイングはさすがだ。バッティングについては19安打中17本が単打と長打力は期待できないが、3割近い打率を残している。しぶとさがあるのも長所だ。今後も貴重な守れるショートとして期待される。

(文・西尾典文)

●西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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