特区のツインタワーでは最先端医療が…女性作家が描く政府への不信感とは? (1/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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特区のツインタワーでは最先端医療が…女性作家が描く政府への不信感とは?

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 1988年に架空戦記物でデビューし、書き下ろし時代小説で人気を博してきた六道慧さん。ある時から、人情味溢れる作風で読者を魅了してきた時代小説の執筆を封印。その後に斬り込んでいった警察小説が話題になっている。今月発売された『黒崎警視のMファイル』の舞台は官邸主導で創られた行政特別区。そこでは一見、華やかな生活が保障されているが、潜入捜査を進める刑事は、その裏に生活弱者を食い物にする凄惨な医療制度を目の当たりにしていくというストーリーだ。現代社会が抱える諸問題を、警察小説の形で発表している思いに迫った。

――今月発売された警察小説『黒崎警視のMファイル』(朝日文庫)では、これまでテーマとしてきたDVやゴミ屋敷、育児放棄ではなく、政府の箱物です。ご自身の中で物事に対する見方が変わったということはありますか?

 見方が変わったというよりも、男性作家が書いてきた組織同士の対立や、反社会的勢力との確執といったものを、女性視点で書くとどうなるか、といった興味の方が大きいです。

 小説内では国家未来戦略特区という架空の都市を設定しましたが、現実の特区(特別行政区)内では、どんなことが行われているのか。そこでは、格差社会の逆転劇などが起こっているのではないか。そうしたことは、前々から取り上げたかったテーマです。

 最近では、警察における所轄名や区の名称などは、なるべく曖昧に書くといった空気があるので、警察小説といっても架空の都市や街を設定して、好き放題に描くのもありかなと思いました。うまくいったと自負しています。

――箱物行政をはじめ、今回のコロナ対策など、国民の政府に対する不満は募っていると思います。そのあたりも、作品に込めたのでしょうか?

 それはあるかもしれません。日本は高齢者やシングルマザー、低所得者層に冷ややかだと思います。今回のコロナ騒ぎでは、早い時点で専門家が「なぜ、新型コロナを国は災害と認定しないのか、不思議でならない。認定すれば、法律の改正だの何だのをしないで、すみやかに援助できるんですけどね」とラジオでおっしゃっていたんです。


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