犬や猫は人間よりも熱中症になりやすい。飼い主が責任をもってケアしよう
犬や猫は人間よりも熱中症になりやすい。飼い主が責任をもってケアしよう
猫も熱中症になる。油断は大敵
猫も熱中症になる。油断は大敵
猫の肉球。汗をかける主な場所はこの小さな面積だけ!
猫の肉球。汗をかける主な場所はこの小さな面積だけ!

 夏の猛暑は犬やにとっても過酷だ。特に老犬や老猫は人間同様、注意が必要。言葉で伝えられないからこそ、SOSのサインを見逃さないことが大切。大事な家族が安全に夏を乗りきるため、普段の熱中症対策や応急処置などについて、獣医師でみずほ台動物病院院長の早坂惇郎さんに聞いた。

【写真】猫の肉球。汗をかける主な場所はこの小さな面積だけ!

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■  人間よりも熱中症になりやすい! 体温41度を超えたら即病院へ

「熱中症になるのは約95%が犬だというデータがあります。もちろん、ネコちゃんも油断は禁物ですよ」(早坂院長)

 犬や猫も6~8月がいちばん熱中症になりやすく、しかも人間よりも熱中症になりやすい。動物も人間と同様に熱は汗をかくことで体外に熱を逃がす。汗腺という器官が代表的だ。早坂院長によると犬や猫は人間に比べ、この汗腺が発達しておらず、しっかり汗をかけるのが肉球だけだという。

「もちろん、小さな肉球だけでは体の熱を十分に逃がすことができません。さらに、体は毛に覆われているので熱がこもりやすい。だから、体温調節が上手くできないのです」(同)

 加齢とともに体温調節機能が衰える人間同様、老犬や老猫は特に気をつけた方がいいという。年齢のほか、犬や猫の種類によっても熱中症のリスクは異なるのだろうか。

「犬でリスクが高いのが、パグやブルドックなどのように短頭種という鼻の短いワンちゃんです。猫もペルシャのように鼻がつぶれているネコちゃんは注意です。これらの犬や猫はのどが熱くなりやすく、熱中症になるリスクが高い。長毛種も熱がこもりやすいので注意が必要ですね」(同)

 早坂院長によると、熱中症の症状は高体温、呼吸があらい、ぐったりするなどだ。犬も猫も平熱は38~39度。40度以上になると、熱中症の可能性が高いという。体を触ってみていつもよりも熱いと感じたら、まずは熱を測ってみよう。

「人間と同じように脇にはさむ方法でかまいません。興奮すると、40度ぐらいになってしまうこともあるので40度くらいあっても元気なら、ほぼ問題はないでしょう。ただ、興奮状態が長く続くと、当然、体温も上昇し、熱中症になってしまうケースもあります。41度を超えていたら、迷わず病院へ。43度以上になると、かなり危険で死亡率が非常に高くなります」(同)

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SOSのサインを見逃さないで