また、呼吸がいつもより荒い、ぐったりしている、食欲が低下しているなどふだんと違う様子がみられた場合、早坂院長は病院に行くことを勧める。病院へ連れて行くときは保冷材や冷たいタオルで腋や頭など体を冷やしながら行くことが大切だ。

■   留守番でゲージに入れっぱなしはNG カーテンを閉めるなど部屋の中に日陰を

 熱中症にならないために、生活でどんなことに気をつければいいのだろうか? 屋外と屋内の対策をそれぞれ聞いた。まずは屋外から。

「真夏のアスファルトの上は60度以上になるとも言われています。ワンちゃん、ネコちゃんは人間よりも地面に近く、人間が思っている以上に暑く感じています。炎天下での散歩は避け、早朝や陽が落ちた夕方以降にし、ワンちゃんのための水を持参するといいでしょう。また、炎天下での散歩は肉球をやけどするリスクもあります」(同)

 熱中症は家の中で起きることも多く、特に飼い主さんが留守中に発症するというケースが意外と多いそうだ。留守にする場合、エアコンはつけたままにし、部屋のドアは開けたままにしておく。早坂院長によると、温度は26~27度くらいが目安。温度だけでなく、湿度にも気をつけるべきで、その目安は40~60%。さらに、新鮮な水を用意しておこう。

「留守中にはケージなどに入れたままにしないなど、行動の自由を制限しないようにしましょう。ほかにも、冷却マットを置く、体毛が長いワンちゃん、ネコちゃんは毛を短くすること(サマーカット)も予防策のひとつです」(同)

 ただし、冷却マットで注意すべきは、それを置く場所。陽の当たらないところに置くのがポイントだ。犬もも年を取ると、同じ場所で何時間も寝ていることが多くなり、陽が当たっても自分で移動しないことがあるからだという。

「冷却マットを陽の当たらない場所へ置いて誘導したり、カーテンを閉めて日陰をつくったり工夫をしてください。特に老犬や老猫は体温調節機能や免疫力などが低下しており、熱やストレスに弱いので夏は常に熱中症のリスクがあると考えてお世話しましょう」(同)

■  短時間でも絶対だめ! 買い物などで車中に置き去りにしないで 

 犬と一緒に出かける人が年々増えてきているというが(最近ではネコと一緒に出かける人も多くなってきたとか)、その際に気をつけたいのが車への置き去りだ。炎天下の車内の温度はエンジンを止めた後、30分で約45度以上になるとも言われている。例え短時間でも犬や猫を車内に残すのは絶対にしてはいけない。

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まず、自宅で応急処置を!適切な処置がペットを救う