もうね、店員さんの前で子供に感想を聞くのはタブーと学びました。

「おかあさんって、おけしょうしないと、おじさんみたいなかおだね」

 まさに爆弾発言。なんなら爆弾。爆弾そのもの。佐藤家に突然投下された理不尽な爆弾。

 続いては、妻と息子の3人でババ抜きをして、無残にも3連敗した息子がわんわん泣きながら叫んだ発言。

「もう、ぼく、ちきゅう、でたい!」

 なんとも些細なことでスケールの大きいことを言い出したものです。最後にこんな発言を。

「しょうわいちねんに、きょうりゅう、いた?」

 いやはや。ウチの息子に限らず、ホント子供ってすごい発言をするものです。そんな息子は最近では「あつもり」で妙な魚を釣ったりしております。ま、今後も成長を見守りつつ、宇宙的破壊的発言でかつて僕と妻を大いに癒やしてくれたことの感謝は、なるべくずっと覚えていようと思っています。(文/佐藤二朗)

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佐藤二朗

佐藤二朗

佐藤二朗(さとう・じろう)/1969年、愛知県生まれ。俳優、脚本家、映画監督。ドラマ「勇者ヨシヒコ」シリーズの仏役や映画「幼獣マメシバ」シリーズの芝二郎役など個性的な役で人気を集める。著書にツイッターの投稿をまとめた『のれんをくぐると、佐藤二朗』(山下書店)などがある。96年に旗揚げした演劇ユニット「ちからわざ」では脚本・出演を手がけ、原作・脚本・監督の映画「はるヲうるひと」(主演・山田孝之)がBD&DVD発売中。また、主演映画「さがす」が公開中。

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