「最後は本人次第」と語るのはアマ時代から藤浪を追い続けるスポーツライター。

「プロ入り後すぐに結果が出た。阪神という人気球団で周囲からもチヤホヤされた。20代の若者が勘違いしてもしょうがない部分もある。しかし早く気付かないと手遅れになる。今回の厳罰を見ても、周囲は見放し始めている。現実的に阪神から移籍するのも1つの方法。本来は野球好きの真面目な好青年なのだから、無理やりにでも環境を整えた方が良い。高校野球のスターだった藤浪という名前は大きなブランドになっている。だから中途半端な国内球団移籍では変わらないと思う」

 米国を含めた海外移籍を選択肢に入れるべき、と力説する。

 阪神担当記者は常に気にかけてくれる、ダルビッシュ有(シカゴ・カブス)の名前を挙げる。

「ダルの近くへ行くのを選ぶという手もある。現状を見ていると1人では甘えが出てしまう可能性が高い。人一倍意識の高い姿勢を常に目にすれば、本人も気付くはず。ダルの話なら素直に耳を傾けるのではないか」

 投球スタイルこそ異なるが、同じような体型で日米で結果を残す先輩にすがるのも最後の手だと言う。

 同級生の大谷翔平(アナハイム・エンゼルス)とは大きな差が開いてしまった。高校時代の実績は藤浪が上だったことが過去の遺物になった。

 野球センスは誰もが認める。だからこそ本人の姿勢が歯痒く見えてしまう。野球への意識や取り組み方が、2人の差を生み出したのは明白だろう。

 しかしどんな形であれ、再びのライバル関係が生まれればこんなにドラマチックなことはない。藤浪晋太郎の復活、覚醒を期待をしてしまう。米国挑戦には大きな可能性、そして夢とロマンがあるのは間違いない。