1年程度の延期に患者から不安の声!「コロナ医療とがん治療の両立」医師のジレンマ (2/4) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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1年程度の延期に患者から不安の声!「コロナ医療とがん治療の両立」医師のジレンマ

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濱田ももこdot.#ヘルス#病気#病院
京都府立医科大学病院 消化器内科 講師 吉田直久医師/京都府生まれ。1999年、京都府立医科大学卒業後に同大学第三内科に入局。2006年に京都府立医科大学大学院を修了後、市立奈良病院に勤務。12年、京都府立医科大学がんプロフェッショナル養成推進基盤プラン特任講師、14年、京都府立医科大学消化器内科講師、現在に至る(写真/楠本 涼)

京都府立医科大学病院 消化器内科 講師 吉田直久医師/京都府生まれ。1999年、京都府立医科大学卒業後に同大学第三内科に入局。2006年に京都府立医科大学大学院を修了後、市立奈良病院に勤務。12年、京都府立医科大学がんプロフェッショナル養成推進基盤プラン特任講師、14年、京都府立医科大学消化器内科講師、現在に至る(写真/楠本 涼)

院内感染を防ぐために、内視鏡検査の際はマスクや防護服などのPPEの装着を徹底している。しかし、PPE不足のため制限して使用しており、今後さらに深刻になる可能性もあるという

院内感染を防ぐために、内視鏡検査の際はマスクや防護服などのPPEの装着を徹底している。しかし、PPE不足のため制限して使用しており、今後さらに深刻になる可能性もあるという

 医師のほかに看護師や検査技師など、多くの人が関わる内視鏡検査。誰かひとりでも感染すると、がん医療のような、患者にとって必要不可欠な治療さえも行えない事態になる。

 そのため、マンパワーは少なくなるが、医療者間の接触もできるかぎり抑えるべく、内視鏡室に出入りするのは最低限の人数とし、感染リスクを低くする診療に取り組んでいる。思うように検査ができない葛藤を吉田医師はこう話す。

「がん医療は、早期の検査や治療が望まれます。ですが院内感染は患者さんと医療従事者双方にとって大きな問題であり、必要ながんへの治療の中止にもつながるので、バランスを考えて定期的な経過観察などの不急の検査を延期している現状です」

■1年間程度の延期も! 患者からの不安の声に

 長い人では1年間程度延期することもあり、検査や治療を延期するように要請した患者からは不安の声もあがっているという。

「大学病院では不急の検査や治療であるかどうかは、複数の医師で話しあって判断しています。しかし、定期的に経過を見てきた方の検査を控えることや、予定していた治療を延期することによる患者さんへの不利益は、少なからず存在してしまいます。多くの患者さんへ不便をかけることになり、本当に申し訳ない気持ちです。このような検査の制限は地域ごとで異なり、京都はまだ特定警戒区域のなかでも感染者数が少なく、必要な検査や治療は比較的保ててはいますが、東京や大阪ではもっと制限が厳しい現状であると聞いています」
 
 京都府立医科大学病院は、院内感染を防ぐために「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のPCR検査に関する共同声明」を出している。無症状の感染者に対するPCR検査の保険適用や、PCR検査に必要な個人防護具と試薬の確保などを要求するものだ。

「京都府立医科大学病院は第一種感染症指定病院であり、病院内でPCR検査ができますが、その数は限られておりごく一部の患者さんを行うだけで手いっぱいです。十分ながん医療を行うためには、患者さんが感染者であるか否かを知るためのPCR検査が望まれます。検査をしなければ全員を感染者疑いとして対応する可能性がありPPEの枯渇や検査数の制限、そして医療従事者の疲弊を招きます。十分な対応をするためにも、疑うようなことがあれば、医療従事者にPCR検査を簡易に行える態勢が望まれます」
 


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