かつては”新婚さん専用列車”も 時代を映す観光列車の歴史 (3/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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かつては”新婚さん専用列車”も 時代を映す観光列車の歴史

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植村誠dot.#鉄道
久大本線を走る「ななつ星in九州」(写真/フォトライブラリー)

久大本線を走る「ななつ星in九州」(写真/フォトライブラリー)

1983年10月、初の日本一周に出発した「サロンエクスプレス東京」(C)朝日新聞社

1983年10月、初の日本一周に出発した「サロンエクスプレス東京」(C)朝日新聞社

「リゾートしらかみ」など、地域性を生かす観光列車が続々誕生している(C)朝日新聞社

「リゾートしらかみ」など、地域性を生かす観光列車が続々誕生している(C)朝日新聞社

1968年、国鉄大阪駅で、バンザイの祝福を受けて、新婚旅行専用急行「ことぶき」(宮崎行き)で出発する新婚夫婦(C)朝日新聞社

1968年、国鉄大阪駅で、バンザイの祝福を受けて、新婚旅行専用急行「ことぶき」(宮崎行き)で出発する新婚夫婦(C)朝日新聞社

■新婚さん専用列車が走っていた時代

 いまひとつユニークな列車として、急行「ことぶき」を挙げてみたい。1967年3月に京都~別府間でデビューしたこの列車のコンセプトはズバリ「新婚列車」。当時は新婚旅行先として九州が人気を集めていたが、折からの高度経済成長もあって、国鉄の定期列車の1等寝台などがプラチナチケットと化していたのである。そうした背景のなか誕生したこの列車は、初列車から人気を集めてきた。当初は1等座席車と食堂車のみの編成だったが、のちに全車がA寝台化している。面白いのは寝台料金が上り列車のみ半額となっていたことで、さらに下りが京都~宮崎間、上りが宮崎~新大阪間と上下で異なる運転区間が設定されることもあった(運転区間は1972年3月ダイヤ例)。

 類似列車としては広島~西鹿児島(現・鹿児島中央)/宮崎~広島間で運行されていた臨時急行「南九州グリーン」があり、グリーン車とA寝台車のみという豪華編成であった。

 また、いまはなくなった種別として、「修学旅行列車」も観光列車の一種とすることもできそうだ。かつては「ひので」「きぼう」などの愛称で首都圏~京阪神間などで運行され、市販の「時刻表」にも掲載されていた。

 ざっと過去帳を追ってみたが、懐かしさを覚えると同時に、今後の新顔にも期待を寄せたくなる。あいにく、目下のところ観光列車という世相ではないが、またこうした魅惑の列車たちとの再会を心待ちにしたい。(文・植村誠)

植村誠(うえむら・まこと)/国内外を問わず、鉄道をはじめのりものを楽しむ旅をテーマに取材・執筆中。近年は東南アジアを重点的に散策している。主な著書に『ワンテーマ指さし会話韓国×鉄道』(情報センター出版局)、『ボートで東京湾を遊びつくす!』(情報センター出版局・共著)、『絶対この季節に乗りたい鉄道の旅』(東京書籍・共著)など。


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