仕事や趣味、運動の話をしたけど、最近は楽しいこともあったんだ。それは4月19日にやったライブ配信。その日は「天龍プロジェクト」が10周年の記念日で本当ならイベントをやる予定だったけど、この状況でできなくなって、天龍プロジェクトの代表の娘とトークライブを配信をしたんだよ。これは目新しくて楽しかったね。見ている人のコメントがリアルタイムで表示されてね、本音も聞けるわけよ。「この野郎、こんなこと思いやがって!」なんて、俺に刺激を与えてくれて、2時間ずっとしゃべり続けたよ。”無観客試合”だけど、お客さんの前でやっているような感覚だったね。「今年の11月15日イベントを開催します」と言ったら、みんなが期待するコメントをくれたのも嬉しかったし、当日まで俺にとってもファンにとっても活力になってくれるといいね。

 このときのトーク相手は娘だけど、あいつは小さいころからずっと天龍源一郎のファンでさ、ファンが一番偉いと思ってるから、俺に対して平気でタメ口でダメ出ししてくるんだよ! このときは親子の関係じゃないからね。見ているファンは面白いだろうけど、俺としては惨めなもんだよ(笑)。それでも、まあ俺が現役のときに一生懸命やってたのを見てくれてたから、女房と娘が今になって返してくれていると感じている。引退後は特に女房や娘が頑張ってくれるし、俺もそれについていかなきゃと思うね。必ずしもこれがいいわけじゃないだろうけど、うまく家族関係が築けた、いい見本ではあるね。

 現役時代は女房がなんでもビシっとやってくれて「私が天龍源一郎を一等賞にしてやる!」と支えてくれてね。結婚してから何年間かは「俺の気持ちは言わなくてもわかるだろう」というタイプだったけど、女房は「言わなきゃわかんないわよ!」というタイプで、家族への感謝は言葉で伝えるようになったんだ。

 アメリカ修業時代に出会ったレスラーもみんなそんな感じだったよ。日本人は大切な人に会うときは女房を置いていくけど、海外では「なぜそんな大切な人に会うのに、大切な妻を連れて行かないの!?」って言うからね。

 だから世の中の奥さんも夫のことを「百円亭主」だとか「うちの旦那なんか……」なんて言わずにね、こんな時代だから言うわけじゃないけど協力していなかないと。そうじゃないとお互いに必要以上の力を出せないものなんだよ。海外の夫婦をみていると、お互いができないことをフォローしあって「夫婦二人で一人」というような関係性が多いよね。

次のページ
いまは洗濯物のペース配分を見極めている?