ただ、ウイルスに県境はありませんからね。感染が広がってしまえば、この差も無くなるんでしょう。だからこそ感染した人を批判するのではなく、「誰でもうつる」「自分は特別じゃない」という気持ちをいかに持って、どう予防するかを考える段階にきていると思います。これは煽っているわけではなく、事態が収束すれば“名誉ある空振り”で済むわけですから。感染ルートが追えなくなっている今、感染するかどうかも自粛によって仕事が無くなっていることも、芸能人であろうが会社員であろうが、主婦や学生であろうが、もう関係なくなっているんです。

 そんな中で、人間の本心とか素の部分が洗い出されているなとも感じます。ツイッターで橋下徹さんの公演ギャラが200万円だとか書いて炎上している立憲民主党の尾辻かな子衆院議員もそう。そもそも橋下さんは私人だし、この議員は自分たちの議員報酬を削られたくないから言っていると捉えられても仕方ないですよね。つまり金が欲しくて議員やってように映る。もちろん、他のツイートを読んでみたらそうではないと思いますよ。しかし、今の時期にこんな内容のツイートをするなんて感情に任せて動いているだけのようにみえてしまう。まぁ僕個人の意見としては議員をやっている資格もない人だなと思います。

 政府が10万円を支給することについても、国民にきちんと伝えたいという思いが見えてこないですよね。あの10万円は、好きなものを買って経済を回そうというものじゃないんです。4人家族なら40万入るから、何とか1カ月こもってくれ、仕事も7割になるけど頼むから自粛してくれという意味の金です。つまり1人分の1カ月の生活費。だから今日、明日の飯代がない人にもすぐ届くように一律にしたわけです。国はただ10万配るだけじゃなく「その代わり、日本にはこれ以上縛る法律が無くて、銃を持った自衛隊員を街中に立たせるわけにもいかないんだから、1人1人が自粛するしかない。それでウイルスが移動しないから、頼むから辛抱してくれ! これとは別に家賃や商売の補償もやるから」と、その意味をわかりやすくアピールしなきゃいけないと思うんです。そういうメッセージは安倍晋三首相の会見からも、政権の関係者からも伝わりませんでした。

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「光熱費とケータイ料金を下げてWi-Fi整備を!」